宅建試験を始めると問1から始まる権利関係。実は宅建を学習する中で一番つまづいたり、挫折する人が多いのもこの分野。ではなぜ挫折の原因になるのか?まずは敵を知ることで、攻略法が見えてくるのかもしれません。
権利関係とは?
一言でいうなら法律の知識を問われる問題です。問1~問14までで構成されていて、ひと昔前なら捨て科目と言われていましたが、今では絶対に落とせない科目に変わってきています。なぜかというとYoutubeの登場により、ここ数年で飛躍的に受験生のレベルが上がってきているからです。今まではお金を払って予備校で学んでいたような学習を自宅で簡単に受けられるようになったのです。
なぜ難しいのか?
法学部で勉強してきた方などを除き、私たちが普段生きている中で法律の知識を学ぶ機会はほとんどないからです。つまり馴染みがないので、ほとんどの方が初学者となるわけです。さらに追い打ちをかけるのが正答率の低さ、つまり問題自体が難しいということです。さらに権利関係は暗記要素がほとんどなく、初見問題が出題されるケースが多いため法的思考力(リーガルマインド)を鍛える必要があります。つまり応用問題で点数を取らなければならないということなのです。
攻略方法
まずは暗記をするということ。権利関係は暗記が通用しないなんて言われることがありますが、まずは基本知識を入れないと全く太刀打ちすることができません。権利関係、特に民法においては“原則と例外”この2つを必ずセットにして覚えると良いです。
例えば、「心裡留保」という項目があります。これは「冗談のこと」ですが、例えばあなたが一億円の家を売る気もないのに友人に無料であげるよと冗談を言ったとします。冗談で言ったとしてもこれは法律上は有効なので、あなたは友人に家をあげる義務が生じるということなんです。冗談でいったことでも法律上の義務が生じるこれが原則です。
では例外はどんな時でしょうか?これは相手方、つまりあなたが「友人が一億円の家をくれるわけがない、こいつは冗談を言っているな」とわかった時です。これを民法上は悪意といいます。この場合は1億円の家をもらうことはできません。
まとめると、
■原則
友人は冗談で「1億の家をタダであげるよ」
あなた「本当にもらえるの?」→民法上は家をもらえる
■例外
友人は冗談で「1億の家をタダであげるよ」
あなた「冗談だな(悪意)」→民法上は家をもらえない
どんな法律にも原則と例外があります。それぞれの項目についてそれぞれ理解して暗記することで、まずは民法効力の土台が完成するのです。
また権利関係を効力する上で大事なことが、図を描くということです。問題ではA,B,C,Dなど複数の登場人物がでてきます。頭の中で整理するのは非常に困難なので、問題用紙にしっかり書き込むことで、答えに導けるかもしれません。またAは誰なのか、Bは誰なのかということも書き込むと良いです。また→をいれて事案の流れを理解することも重要です。
A(売主) → Bは(買主)
A(債権者) → Bは(債務者)⇔C(保証人)
A(貸主) → B(転貸人) → C(転借人) など
テキストや解説を読んで、図を描ける力を身に着けていきましょう。
まとめ
権利関係は宅建試験で得点が一番難しい分野です。近年では落とすことができないところなので、暗記+図を描く、問題をたくさん解いて法的思考力を高める必要があります。特に解説をしっかり読んで理解して進めることが大切で、民法の原則と例外を理解しつつ、新しい問題に慣れて応用力を身につけていくことで得点に結びついていきます。まずは比較的得点源の「借地借家法」「区分所有法」から進めていくこともおすすめですよ。
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