令和7年度試験、お疲れ様でした。

過去最大30万人以上が申し込んだ令和7年度の宅建試験。今年はとにかく波乱の試験になりました。受験された皆様は本当に大変だったと思います。お疲れ様でした。

本日は解答と、各分野ごとの総評、合格点予想をお伝えしたいと思います。ぜひ最後までご覧ください。

目次

解答

令和7年度宅建試験の解答は以下の通りです。

総評

令和7年度の宅建試験は、大きなポイントが2つありました。

1つ目 宅建業法の個数問題が3⇒ 10に増加

※個数問題とは、正しいものはいくつあるか?のように選択肢すべての正誤などを判断する必要があり、難易度も上がり、時間も掛かる問題形式のことです。1つ間違えると失点するため、正確な知識が要求されます。

宅建業法は宅建試験の中で一番難易度の低い科目であり、さらに50問中20問を占めます。また宅建業法から解く受験生にとっては、試験冒頭からかなり精神を削られ、以降の解答に影響する可能性も高くなりました。個数問題の増加により、受験者にとっては得点源だった宅建業法が、かなり厳しいものになってしまった印象です。

2つ目 問1の判例問題がなくなった

また問1の判例問題がなくなりました。問題用紙を開いたとたんに、長文の判例問題が定番でしたが、今年は出題されませんでした。これは朗報かもしれません。ただし、問3の意思表示でこれまた個数問題が出題されました。なかなか意地悪な問題だったと思います。

権利関係

権利関係に関して例年に比べるとひねった問題が少なく、昨年に比べるとやや易しくなったといえるでしょう。問9の「相対効」は、「絶対効」を覚えているだけで解ける基本知識の問題でした。また問11・12「借地借家法」、問13「区分所有法」、問14「不動産登記法」も並みのレベルで、4点ゲットすることも難しくなかったと思われます。ただし問11~問14は、合否大きくに影響する問題であったともいえます。ここを確実に取ることに加え、民法で最低でも3点以上とらないとかなり厳しいでしょう。

宅建業法

前述したように宅建業法は、相当厳しいものになりました。個数問題の増加に加え、問題の文字数がかなり増えたため、読み解くのに時間も掛かり、形式+文字数で圧倒的に難化した印象です。また問44のように「犯罪による収益防止に関する法律」の出題があり、重箱の隅をつついたような問題も登場しました。宅建業法においては、明かな初見問題も登場し、近年稀にみる厳しい年になったといえるでしょう。

法令上の制限

こちらも例年に比べてなかなか難しかったといえます。毎年、都市計画法・建築基準法は1問ずつ難しい問題が出題されますが、さらに今年は農地法が新しい論点で問われました。問21「農地法」法人の罰金刑は300万円ではなく1億円というものです。ここはノーマークだった受験生が多かったと推測されます。また問22「国土利用計画法」も2択で迷い落とした受験生も多いかもしれません。以上より、令和7年度の法令上の制限は、例年よりやや難といえるでしょう。

税その他

問24「固定資産税」と問25「不動産鑑定評価」はやや難しかったといえます。ここで2点失点するのはやむ負えないでしょう。2択まで絞れて落とした受験生が多いのでは。問46「住宅金融支援機構」・問47「景品表示法」・問48「統計」・問49「土地」は落とせない問題だったと思います。こういったイージーな問題で、宅建業法や法令上の制限の失点をカバーできたかが、合否に直結したと思われます。問50「鋼材」は1.2で迷う受験生が多かったかと思われます。「炭素量が増えれば強度が大きくなる」という知識がないと解けない問題でした。問50の失点はやむを得ないと思います。

合格予想点

多くの大手資格学校や人気講師の方々も合格予想点を出していますが、個人の見解として

合格予想点 34点±1

とさせて頂きます。理由としては、宅建試験では、①正答率80%以上の問題、②正答率60~80%の問題、③60%未満の問題と分けた場合、①と②を正解すれば例年は合格点を超えることができます。言い換えると①は絶対に落とせない問題、②は合否を分ける問題、③合否に影響しない問題ともいえます。今回は大手資格学校のデータをもとに算出したところ下記のようになりました。

①正答率80%以上の問題⇒20問

②正答率60~80%の問題⇒14問

①と②の合計⇒34問

合計は34点ですが、没問が発生し+1点になる可能性や、試験作成者側で、合格者を調整するため合格点を下げるなどの可能性を考慮し±1とさせて頂いております。各正答率の問題振り分けも載せておきます。

【正答率80%以上】問5・問8・問9・問12・問13問・問17・問27・問29・問32・問35・問36・問38・問39・問41・問44・問45・問46・問47・問48・問49

【正答率60%~80%】問1・問4・問7・問10・問14・問15・問16・問28・問30・問31・問33・問34・問37・問50

【正答率60%未満】問2・問3・問6・問11・問18・問19・問20・問21・問22・問23・問24・問25・問26・問40・問42・問43 

※こちらのデータは各社資格学校が独自に算出したものを参考にさせて頂いたもので、100%の精度ではないことをご了承ください。

まとめ

個数問題の激的増加により、今年の試験は例年に比べかなり難しい試験となったといえるでしょう。特に宅建業法から問題を解いた受験者にとっては、尾を引かずにその後の解答にどれだけできたかということが試された試験でもあったと思います。他方で、権利関係や免除問題など比較的素直で得点しやすい問題もありました。しかし得点源である宅建業法と法令上の制限の難化により、近年の中でも非常に難しい試験であったことは間違いないでしょう。

合格発表までは、約1ヵ月あるのでこれまで頑張ってきた方はとりあえず一旦試験のことは忘れて、やりたいことをバンバンやって過ごしてみてください。合格点ギリギリの方は生きた心地がしないかもしれませんが、結果は変わらないので考えるだけ無駄です。気持ちを切り替えて今まで我慢してきたことをして自分を労ってあげましょう。お疲れ様でした。

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この記事を書いた人

約10年広告代理店でディレクターとして勤務。コロナ禍で将来の不安から宅建試験を受験し合格。趣味は音楽、楽器、映画鑑賞など。

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