宅建試験の権利関係は、次のような悩みを抱えやすい分野です。
「民法の問題文が長くて、何を聞かれているのか分からない」
「過去問を何周しても、初めて見る問題が解けない」
「範囲が広すぎて、どこまで勉強すればよいか分からない」
権利関係は、単純な暗記だけでは得点しにくい科目です。しかし、出題されやすいテーマを優先し、問題を解く手順を身につければ、苦手な人でも十分に合格点を確保できます。
大切なのは、すべてを完璧に覚えることではありません。
合格に必要な問題を見極め、基本問題を確実に正解することです。
この記事では、宅建試験における権利関係の出題傾向、得点目標、勉強の優先順位、各テーマの具体的な攻略法を解説します。

宅建試験の権利関係とは
宅建試験では、土地や建物についての権利、契約、相続、登記などに関する問題が出題されます。
受験業界では、これらの問題をまとめて「権利関係」と呼んでいます。
権利関係に含まれる主な法律は、次の4つです。
| 分野 | 主な内容 |
|---|---|
| 民法 | 契約、所有権、債権、相続など |
| 借地借家法 | 土地や建物の賃貸借 |
| 区分所有法 | 分譲マンションの管理や集会 |
| 不動産登記法 | 不動産の権利や表示に関する登記 |
一般受験者の権利関係は、例年、問1から問14までの14問です。
権利関係の配点
| 分野 | 問題数 | 問題番号 | 重要度 |
|---|---|---|---|
| 民法 | 10問 | 問1~問10 | ★★★★★ |
| 借地借家法 | 2問 | 問11~問12 | ★★★★★ |
| 区分所有法 | 1問 | 問13 | ★★★★☆ |
| 不動産登記法 | 1問 | 問14 | ★★★☆☆ |
| 合計 | 14問 | 問1~問14 |
権利関係は、宅建業法の20問に次いで配点が大きい分野です。
難しいからといって、14問すべてを捨ててしまうと、合格点に届く可能性が大きく下がります。
一方で、権利関係に勉強時間を使いすぎるのも危険です。宅建業法や法令上の制限など、比較的得点を安定させやすい分野の学習時間が不足してしまうからです。
権利関係は捨てない。ただし、深追いもしない。
これが、宅建合格のための基本戦略です。
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権利関係の得点目標は14問中8問
権利関係の現実的な得点目標は、次のとおりです。
| 分野 | 出題数 | 得点目標 |
|---|---|---|
| 民法 | 10問 | 5~6問 |
| 借地借家法 | 2問 | 1~2問 |
| 区分所有法 | 1問 | 1問 |
| 不動産登記法 | 1問 | 0~1問 |
| 合計 | 14問 | 8問以上 |
権利関係で満点を狙う必要はありません。
民法では、難問や細かい判例問題が出題されることがあります。これらをすべて正解しようとすると、必要な勉強量が大きく増えてしまいます。
目標は、次のように考えましょう。
- 基本問題は確実に取る
- 頻出テーマは応用問題まで対応する
- 細かい判例や低頻度テーマは深入りしない
- 借地借家法と区分所有法を得点源にする
- 不動産登記法は基本問題が出た年に取る
民法で5問、特別法で3問取れれば、合計8点です。
宅建業法や法令上の制限でしっかり得点できれば、権利関係8点でも十分に合格を狙えます。
権利関係の勉強時間は全体の4分の1程度
権利関係は、宅建試験の中で最も学習範囲が広く、理解にも時間がかかる科目です。
しかし、権利関係は14問です。宅建業法は20問出題されるため、権利関係だけに勉強時間を偏らせるのは効率的ではありません。
権利関係に使う学習時間は、宅建学習全体の4分の1程度を目安にしましょう。
例えば、総学習時間を400時間とする場合は、権利関係に使う時間は100時間前後が目安です。
民法を完璧にしようとして、宅建業法の学習が遅れる状態は避けなければなりません。
権利関係は暗記だけでは解けない
宅建業法や法令上の制限では、数字や手続を正確に覚えることで解ける問題が多くあります。
一方、民法では、覚えた知識を事例に当てはめる力が必要です。
同じ「詐欺」や「取消し」の問題でも、第三者の有無、登記の有無、善意・悪意などによって結論が変わります。
そのため、結論だけを丸暗記しても、問題文が少し変わると対応できません。
権利関係では、次の3段階で考える習慣をつけましょう。
1.何のテーマかを判断する
最初に、問題がどのテーマを聞いているのかを特定します。
- 未成年者が契約している→制限行為能力者
- 本人の許可なく契約している→無権代理
- 同じ不動産が二重に売却されている→物権変動
- 契約どおりに引き渡されていない→債務不履行
2.原則と例外を思い出す
テーマが分かったら、そのテーマの原則を思い出します。
そのうえで、問題文に例外となる条件が書かれていないかを確認します。
3.問題の事例に当てはめる
最後に、思い出した知識を問題文の事例に当てはめます。
**「テーマの把握→知識の想起→事例への当てはめ」**が、民法問題を解く基本手順です。
権利関係の優先順位
★★★★★ 最優先で勉強するテーマ
- 意思表示
- 代理・無権代理・表見代理
- 債務不履行・解除
- 契約不適合責任
- 不動産物権変動
- 相続
- 借地借家法
- 区分所有法
- 賃貸借
★★★★☆ 重要テーマ
- 制限行為能力者
- 時効
- 共有
- 抵当権の基本
- 不法行為
- 保証・連帯債務
★★★☆☆ 基本を押さえたいテーマ
- 弁済
- 相殺
- 使用貸借
- 相隣関係
- 不動産登記法の基本
- 遺言・遺留分
★★☆☆☆ 余裕が出てから勉強するテーマ
- 請負
- 委任
- 債権譲渡
- 債務引受
- 地役権
- 留置権
- 根抵当権
- 配偶者居住権
★☆☆☆☆ 深追いしなくてよいテーマ
- 先取特権
- 質権
- 買戻し
- 交換
- 寄託
- 複雑な詐害行為取消権
- 細かい債権者代位権
- 不動産登記法の特殊な登記手続
- 抵当権の細かい処分関係
最初は★★★以上のテーマを繰り返し、基本問題を解けるようにしましょう。
★が少ないテーマは、頻出テーマを固めた後に取り組めば十分です。
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権利関係は、1日でまとめて勉強するよりも、毎日少しずつ問題に触れる方が力を伸ばしやすい科目です。
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過去問だけでなく、初めて見る事例に対応するためのオリジナル問題にも挑戦できます。
1日2~3問から、権利関係の学習を習慣化しましょう。
初めて見る問題を丁寧に読み、知識を使って正解を導く練習をすることで、本試験に必要な読解力と判断力を鍛えられます。
民法総則の攻略法
民法総則では、契約が有効に成立するか、契約を取り消せるか、本人以外の者が契約できるかなどが問われます。
制限行為能力者 ★★★★☆
制限行為能力者では、未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人が登場します。
優先順位は次のとおりです。
- 未成年者 ★★★★★
- 成年被後見人 ★★★★☆
- 被保佐人 ★★★★☆
- 被補助人 ★★★☆☆
攻略ポイント
最初に覚えるべきなのは、それぞれの人が単独でできる行為と、同意が必要な行為です。
特に未成年者については、次の点を整理しましょう。
- 法定代理人の同意を得ない契約は、原則として取り消せる
- 単に権利を得る行為や義務を免れる行為は、単独でできる
- 処分を許された財産は、目的の範囲内で自由に処分できる
- 成年者であると偽るなど、詐術を用いた場合は取り消せない
- 取消し前に現れた第三者との関係
成年被後見人については、日用品の購入など日常生活に関する行為を除き、原則として取り消せる点が重要です。
問題を解く手順
- 契約をしたのは誰か
- どの制限行為能力者か
- 同意や追認があるか
- 行為の内容は何か
- 相手方や第三者が登場しているか
**「誰を保護する制度なのか」**を意識すると理解しやすくなります。
意思表示 ★★★★★
意思表示は、権利関係で最重要のテーマです。
| テーマ | 頻出度 |
|---|---|
| 心裡留保 | ★★★★☆ |
| 通謀虚偽表示 | ★★★★★ |
| 錯誤 | ★★★★★ |
| 詐欺 | ★★★★★ |
| 強迫 | ★★★★★ |
| 公序良俗違反 | ★★★☆☆ |
最初に整理すること
| 状況 | 主なテーマ |
|---|---|
| 冗談や本心でない意思表示 | 心裡留保 |
| 相手方と示し合わせた虚偽の契約 | 通謀虚偽表示 |
| 勘違いによる契約 | 錯誤 |
| だまされて契約 | 詐欺 |
| 脅されて契約 | 強迫 |
攻略ポイント
意思表示では、当事者間の結論だけでなく、第三者との関係が頻繁に問われます。
次の内容を比較して覚えましょう。
- 契約は有効か、無効か、取り消せるか
- 善意の第三者は保護されるか
- 無過失まで必要か
- 登記は必要か
- 誰が誰をだましたのか
特に詐欺では、「相手方による詐欺」なのか「第三者による詐欺」なのかを読み分ける必要があります。
問題文を読んだら、必ず人物関係を図にしましょう。
代理 ★★★★★
代理は、宅建試験で頻繁に出題される重要テーマです。
| テーマ | 頻出度 |
|---|---|
| 代理の基本 | ★★★★★ |
| 自己契約・双方代理 | ★★★☆☆ |
| 復代理 | ★★★☆☆ |
| 無権代理 | ★★★★★ |
| 表見代理 | ★★★★★ |
代理の基本
代理では、本人・代理人・相手方の3者を整理します。
代理人が本人のためにすることを示して契約すると、原則として契約の効果は本人に帰属します。
ここで重要なのが顕名です。
代理人が本人のために契約することを示さなかった場合、原則として代理人自身の契約となります。
無権代理の攻略法
無権代理とは、代理権がない者が代理人として契約することです。
| 人物 | 主な権利・責任 |
|---|---|
| 本人 | 追認または追認拒絶 |
| 相手方 | 催告、取消し、責任追及 |
| 無権代理人 | 履行または損害賠償責任 |
| 相続人 | 誰を相続したかで結論が変わる |
最初から相続パターンをすべて暗記するのではなく、本人・相手方・無権代理人の基本関係を完璧にしましょう。
表見代理の攻略法
表見代理では、本当は代理権がないにもかかわらず、本人側にも「代理権があるように見える状態」を作った責任があるため、相手方が保護されます。
確認するポイントは次のとおりです。
- 本人に帰責性があるか
- 相手方は善意か
- 相手方に過失がないか
- どの種類の表見代理か
**「なぜ本人が責任を負うのか」**を理解しましょう。
時効 ★★★★☆
時効は、期間の数字だけを覚えても安定して得点できません。
次の4点を整理します。
- 何の時効か
- いつから進行するか
- 何年で完成するか
- 完成猶予や更新があるか
取得時効 ★★★★☆
取得時効では、次の点を確認します。
- 善意・無過失か
- 所有の意思があるか
- 平穏かつ公然と占有しているか
- 他人の物を一定期間占有しているか
また、時効完成前の第三者と、時効完成後の第三者を分けて整理しましょう。
消滅時効 ★★★★☆
消滅時効では、権利を行使できることを知った時と、権利を行使できる時を区別します。
数字だけでなく、どの時点から期間を数えるのかを確認しましょう。
物権の攻略法
不動産物権変動 ★★★★★
不動産物権変動は、民法で最も重要なテーマの一つです。
頻出パターン
| テーマ | 頻出度 |
|---|---|
| 二重譲渡 | ★★★★★ |
| 取消しと登記 | ★★★★★ |
| 解除と登記 | ★★★★★ |
| 取得時効と登記 | ★★★★★ |
| 相続と登記 | ★★☆☆☆ |
| 背信的悪意者 | ★★★★☆ |
基本対策
A
↓売却
B
A
↓売却
C
このような図を描き、BとCのどちらが登記を備えたかを確認します。
不動産の権利変動では、契約の順番だけでなく、登記の有無が重要です。
最初は、**「原則として登記がなければ第三者に対抗できない」**という軸を作り、その後に例外を追加しましょう。
共有 ★★★★☆
共有は、近年の法改正もあり、優先度が上がっているテーマです。
| 行為 | 必要な同意 |
|---|---|
| 保存行為 | 各共有者が単独で可能 |
| 管理行為 | 持分価格の過半数 |
| 重大な変更 | 原則として共有者全員 |
| 軽微な変更 | 持分価格の過半数 |
攻略ポイント
問題文に出てくる行為が、保存・管理・変更のどれに該当するかを判断します。
- 不法占拠者に明渡しを請求する→保存行為
- 短期間の賃貸借をする→管理行為
- 建物を取り壊す→重大な変更
まずは共有物の変更・管理・保存の基本を固めましょう。
抵当権 ★★★★☆
抵当権は出題頻度が高い一方、難問も多いテーマです。
| テーマ | 頻出度 |
|---|---|
| 抵当権の成立・性質 | ★★★★★ |
| 効力が及ぶ範囲 | ★★★★★ |
| 物上代位 | ★★★★★ |
| 第三取得者 | ★★★★☆ |
| 法定地上権 | ★★☆☆☆ |
| 根抵当権 | ★★☆☆☆ |
| 抵当権の処分 | ★☆☆☆☆ |
最優先で覚えること
- 抵当権の目的物
- 抵当権の順位
- 抵当権の効力が及ぶ範囲
- 物上代位
- 抵当権設定者と抵当権者の関係
- 抵当不動産の第三取得者
物上代位の攻略法
- 抵当不動産に何が起きたか
- 代わりにどのような金銭が発生したか
- 抵当権者はいつ差し押さえたか
特に、払渡しまたは引渡し前の差押えが重要です。
法定地上権、根抵当権、複数の抵当権者が絡む配当計算は、最初から完璧を目指す必要はありません。
相隣関係 ★★★☆☆
相隣関係は出題数こそ多くありませんが、出題された場合は基本知識で正解できる可能性があります。
主なテーマは次のとおりです。
- 隣地使用権
- ライフライン設備の設置・使用
- 境界標
- 竹木の枝や根
- 袋地の通行権
細かい判例よりも、近年の改正事項と基本的な権利関係を優先しましょう。
債権の攻略法
債権は学習範囲が広いため、優先順位を明確にする必要があります。
最優先で学習するのは、次のテーマです。
- 債務不履行 ★★★★★
- 契約の解除 ★★★★★
- 契約不適合責任 ★★★★★
- 賃貸借 ★★★★★
債務不履行 ★★★★★
債務不履行とは、契約で約束した義務を果たさないことです。
- 履行遅滞
- 履行不能
- 不完全履行
攻略ポイント
問題では、債権者が何を請求できるかが問われます。
- 履行の請求
- 損害賠償
- 契約の解除
- 代金の支払拒絶
損害賠償と解除の要件を分けて整理することが重要です。
債務者に帰責事由が必要か、催告が必要か、契約目的を達成できるかなどを確認します。
契約解除 ★★★★★
| テーマ | 頻出度 |
|---|---|
| 催告解除 | ★★★★★ |
| 無催告解除 | ★★★★★ |
| 手付解除 | ★★★★★ |
原則として、相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がなければ解除できます。
契約の履行が全部不能である場合など、催告しても意味がないケースでは、催告なしで解除できます。
手付解除では、相手方が契約の履行に着手した後は、原則として解除できません。
問題では、誰が履行に着手したかを必ず確認しましょう。
契約不適合責任 ★★★★★
売買の目的物が、種類、品質、数量などの点で契約内容に適合していない場合、買主は売主に責任を追及できます。
- 追完請求
- 代金減額請求
- 損害賠償請求
- 契約解除
攻略ポイント
4つの権利を単独で覚えるのではなく、どのような順序で請求するのかを整理しましょう。
代金減額請求では、原則として先に追完を催告する必要があります。
また、買主が契約不適合を知った時から一定期間内に通知する必要がある点も重要です。
弁済 ★★★☆☆
優先して学習するのは、次のテーマです。
| テーマ | 頻出度 |
|---|---|
| 第三者弁済 | ★★★★☆ |
| 外観を有する者への弁済 | ★★★☆☆ |
| 弁済による代位 | ★★★★☆ |
| 弁済場所・代物弁済 | ★☆☆☆☆ |
問題を解く手順
- 誰が弁済したか
- 誰に弁済したか
- 弁済した人に正当な利益があるか
- 債権者や債務者の意思に反していないか
- 弁済後に代位できるか
保証・連帯保証・連帯債務 ★★★★☆
通常の保証人
通常の保証人には、原則として次の権利があります。
- 催告の抗弁権
- 検索の抗弁権
- 分別の利益
連帯保証人
連帯保証人には、催告の抗弁権、検索の抗弁権、分別の利益がありません。
**「連帯保証人は保証人より責任が重い」**と覚えましょう。
個人根保証契約などの細かい制度は、基本問題を解けるようになってからで構いません。
不法行為 ★★★★☆
不法行為は、出題された場合に得点源にしやすいテーマです。
| テーマ | 頻出度 |
|---|---|
| 一般不法行為 | ★★★★★ |
| 使用者責任 | ★★★★☆ |
| 土地工作物責任 | ★★★★☆ |
| 共同不法行為 | ★★★☆☆ |
| 監督義務者の責任 | ★★★☆☆ |
問題を解く手順
- 誰が損害を与えたか
- 故意または過失があるか
- 誰に損害が発生したか
- 使用者や監督義務者がいるか
- 免責される条件があるか
債務不履行との違いも比較しておきましょう。
賃貸借 ★★★★★
賃貸借は、民法だけでなく借地借家法にもつながる重要テーマです。
| テーマ | 頻出度 |
|---|---|
| 賃貸人・賃借人の権利義務 | ★★★★☆ |
| 修繕・賃料減額 | ★★★★☆ |
| 転貸・賃借権の譲渡 | ★★★★★ |
| 敷金 | ★★★☆☆ |
| 存続期間・対抗力 | ★★★☆☆ |
転貸の攻略法
賃借人が無断で第三者に転貸した場合、賃貸人は原則として契約を解除できます。
ただし、賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情がある場合には、解除できないことがあります。
敷金の攻略法
- いつ返還請求権が発生するか
- 未払賃料などを差し引けるか
- 賃貸人が変わった場合に承継されるか
- 賃借権が譲渡された場合にどうなるか
相続の攻略法 ★★★★★
相続は、ほぼ毎年のように出題が期待される最重要テーマです。
| テーマ | 頻出度 |
|---|---|
| 相続人・法定相続分 | ★★★★★ |
| 承認・放棄 | ★★★★★ |
| 遺言 | ★★★★☆ |
| 遺留分 | ★★★☆☆ |
| 配偶者居住権 | ★★☆☆☆ |
相続人と相続分の攻略法
相続問題では、必ず家系図を描きましょう。
- 配偶者がいるか
- 子がいるか
- 直系尊属がいるか
- 兄弟姉妹がいるか
- 先に死亡した人がいるか
- 代襲相続が発生するか
- 相続放棄をした人がいるか
相続人が確定してから、法定相続分を計算します。
最初から割合を計算しないことが重要です。
相続の承認・放棄 ★★★★★
次の3種類を区別しましょう。
- 単純承認
- 限定承認
- 相続放棄
特に、限定承認は共同相続人全員で行う必要がある点が重要です。
相続財産を処分した場合などの法定単純承認も頻出です。
遺言・遺留分 ★★★☆☆
遺言では、自筆証書遺言と公正証書遺言を比較します。
- 証人が必要か
- 家庭裁判所の検認が必要か
- 本人が自書する必要があるか
- 保管制度を利用した場合はどうなるか
遺留分では、兄弟姉妹に遺留分がないことを確実に覚えましょう。
借地借家法の攻略法 ★★★★★
借地借家法は、例年、借地から1問、借家から1問出題されます。
2問中1~2問を確保したい重要な得点源です。
借地 ★★★★★
| テーマ | 頻出度 |
|---|---|
| 存続期間・更新 | ★★★★★ |
| 対抗要件 | ★★★★★ |
| 定期借地権 | ★★★★★ |
| 建物買取請求権 | ★★★★☆ |
| 借地権の譲渡・転貸 | ★★☆☆☆ |
攻略ポイント
普通借地権と定期借地権を比較しましょう。
| 項目 | 普通借地権 | 定期借地権 |
|---|---|---|
| 契約の更新 | あり | 原則なし |
| 建物再築による延長 | あり得る | 原則なし |
| 建物買取請求 | あり得る | 類型により排除 |
| 契約方法 | 原則自由 | 書面等が必要 |
存続期間・契約方法・利用目的・更新の有無をセットで覚えましょう。
借家 ★★★★★
| テーマ | 頻出度 |
|---|---|
| 対抗要件 | ★★★★☆ |
| 存続期間・更新 | ★★★★☆ |
| 転借人の保護 | ★★★★★ |
| 定期建物賃貸借 | ★★★★★ |
| 造作買取請求権 | ★★★☆☆ |
| 借賃増減額請求権 | ★★★☆☆ |
最優先は定期建物賃貸借
- 書面等で契約する
- 契約の更新がない
- 契約前に、更新がなく期間満了で終了することを説明する
- 一定の場合に終了通知が必要
- 居住用で一定の要件を満たす場合、中途解約できることがある
普通借家契約と定期建物賃貸借を比較して覚えましょう。
区分所有法の攻略法 ★★★★☆
区分所有法は、例年1問出題されます。
1問しか出ないため、法律全体を細かく勉強するのは効率的ではありません。
| テーマ | 頻出度 |
|---|---|
| 専有部分・共用部分 | ★★★★★ |
| 管理組合 | ★★★★☆ |
| 管理者 | ★★★★☆ |
| 規約 | ★★★★☆ |
| 集会・決議要件 | ★★★★★ |
| 復旧・建替え | ★★★☆☆ |
最優先は集会と決議要件
区分所有法では、誰が集会を招集できるか、どの程度の賛成が必要かが頻繁に問われます。
次の順序で整理しましょう。
- 通常の管理に関する決議
- 規約の設定・変更・廃止
- 共用部分の重大な変更
- 建物の復旧
- 建替え
- マンションの取壊しや敷地売却
2026年度対応教材で最新の決議要件を確認することが重要です。
不動産登記法の攻略法 ★★★☆☆
不動産登記法は、例年1問出題されます。
年によって難易度の差が大きいため、基本問題が出たときに1点を取れる準備をしておきましょう。
| テーマ | 頻出度 |
|---|---|
| 表示登記と権利登記 | ★★★★★ |
| 所有権保存登記 | ★★★★☆ |
| 所有権移転登記 | ★★★★☆ |
| 登記申請の原則 | ★★★★☆ |
| 単独申請 | ★★★☆☆ |
| 仮登記 | ★☆☆☆☆ |
| 特殊な登記手続 | ★☆☆☆☆ |
不動産登記法は「絶対に1点取る科目」ではなく、「基本問題が出たら取る科目」と考えましょう。
権利関係の問題を解く4つのコツ
1.図を描く
複数の人物が登場する問題では、次の要素を書き出します。
- 登場人物
- 契約関係
- 所有者
- 登記の有無
- 契約の順番
- 誰が誰に何を請求しているか
きれいな図ではなく、数秒で関係を整理できる図を描きましょう。
2.主語を確認する
「買主は」「売主は」「賃貸人は」「賃借人は」など、誰について述べているかを確認します。
3.時系列を整理する
契約、登記、取消し、解除、第三者の登場が、どの順番で発生したのかを確認します。
特に物権変動、時効、取消し、解除では、時系列が結論を左右します。
4.正解の理由を説明する
過去問を解いた後は、次の点を確認しましょう。
- 何のテーマが問われたか
- 正誤を分けるキーワードは何か
- 原則は何か
- 例外は何か
- なぜ正しいのか
- 条件が変わったら結論はどうなるか
正解していても、理由を説明できなければ理解できているとは限りません。
1日50問より毎日2~3問を丁寧に解く
民法が苦手な人ほど、「もっと多くの問題を解かなければならない」と考えがちです。
しかし、1日に50問、100問と正誤だけを確認しても、問題の解き方は身につきません。
権利関係は、1日2~3問でも構いません。
その代わり、次の点まで丁寧に確認します。
- 登場人物を図にする
- 問われているテーマを特定する
- 適用される原則を思い出す
- 問題の事例に当てはめる
- 間違えた理由を言葉にする
- 関連するテキストに戻る
少ない問題数でも毎日続けることが重要です。
過去問だけでなく初見問題にも取り組む
同じ過去問を繰り返していると、文章を読んだ瞬間に正解を思い出せるようになります。
しかし、それは民法の実力ではなく、問題文を記憶しているだけかもしれません。
基本知識を固めた後は、次の問題にも取り組みましょう。
- 登場人物を入れ替えた問題
- 条件を一つ変更した問題
- 複数テーマを組み合わせた問題
- オリジナル問題
- 模試や予想問題
間違えた場合は、次のどれが原因かを分析します。
- 知識不足
- 読み間違い
- テーマを判断できなかった
- 当てはめを間違えた
宅スマで初見問題への対応力を鍛える
「過去問なら解けるのに、模試になると点が取れない」という人は、問題の答えを覚えてしまっている可能性があります。
宅スマでは、過去問に加えてオリジナル問題にも取り組めます。
問題を解いた後、その問題に対応するテキストや講義を確認できるため、知識の抜けをその場で復習できます。
問題・解説・テキスト・講義を往復して理解することが、権利関係攻略の近道です。
初めて見る問題を丁寧に読み、知識を使って正解を導く練習をすることで、本試験に必要な読解力と判断力を鍛えられます。
権利関係のおすすめ学習スケジュール
1周目:★★★★★・★★★★☆を優先する
最初は、次の最重要テーマから学びます。
- 制限行為能力者
- 意思表示
- 代理
- 債務不履行
- 契約解除
- 契約不適合責任
- 不動産物権変動
- 抵当権
- 賃貸借
- 相続
- 借地借家法
細かい知識を暗記するより、制度の全体像を理解することを優先します。
2周目:理由を説明できるようにする
間違えた原因を次のように分類します。
- 知識を知らなかった
- 原則と例外を逆に覚えていた
- 主語を読み間違えた
- 登記の有無を見落とした
- 時系列を整理できなかった
- 第三者の善意・悪意を見落とした
3周目:初見問題・模試に挑戦する
初見問題で間違えた場合は、どの段階でつまずいたかを確認します。
- テーマを特定できなかった
- 知識を思い出せなかった
- 事例に当てはめられなかった
権利関係でやってはいけない勉強法
民法を完全に捨てる
民法は10問出題されます。
難問は捨てても構いませんが、基本問題まで捨ててはいけません。
細かい判例まで全部覚える
宅建試験で必要なのは、法律実務家レベルの知識ではありません。
頻出判例を優先し、細かい判例は深追いしないようにしましょう。
テキストを読むだけで問題を解かない
民法は、知識を事例に当てはめる練習が必要です。
一つのテーマを学んだら、すぐに関連問題を解きましょう。
問題数だけを増やす
同じ間違いを繰り返している状態で問題数だけを増やしても、得点は伸びません。
正解数ではなく、正誤の理由を説明できる問題数を増やしましょう。
教材を次々に変える
点数が伸びない原因は、教材不足ではなく理解不足であることが少なくありません。
メイン教材を決めたら、問題・解説・テキストを繰り返し往復しましょう。
まとめ|権利関係は8点を取るための勉強をしよう
権利関係は、次の合計14問です。
- 民法10問
- 借地借家法2問
- 区分所有法1問
- 不動産登記法1問
目標は14問中8問以上です。
特に優先したいテーマは次のとおりです。
★★★★★ 最優先テーマ
- 意思表示
- 代理
- 債務不履行
- 契約解除
- 契約不適合責任
- 不動産物権変動
- 賃貸借
- 相続
- 借地借家法
★★★★☆ 重要テーマ
- 制限行為能力者
- 時効
- 共有
- 抵当権
- 不法行為
- 区分所有法
権利関係の学習で大切なのは、正解を暗記することではありません。
テーマを把握し、知識を思い出し、問題の事例に当てはめることです。
問題文が複雑なときは、登場人物と時系列を図に描きましょう。
また、一度に大量の問題を解くのではなく、毎日2~3問でも継続して権利関係に触れることが重要です。
宅スマなら、スマホ一つで過去問、オリジナル問題、テキスト、講義動画を使った学習ができます。
「過去問は解けるのに初見問題が解けない」という人も、オリジナル問題で本試験に必要な対応力を鍛えられます。


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