「過去問では合格点を取れるようになった」
「同じ問題なら、ほとんど間違えない」
「今年は宅建に合格できるかもしれない」
そう感じている方に、最初に質問です。
模試は受けましたか?
模試を受けて安定して合格点を取れているなら、今の勉強法を大きく変える必要はありません。そのまま苦手分野を補強しながら、本試験まで学習を続けていきましょう。
一方で、
- 過去問では高得点なのに模試では点が取れない
- 初めて見る問題になると正誤を判断できない
- 宅建業法の個数問題で最後の一つを絞れない
- 問題文の表現が変わると混乱してしまう
という方は、過去問の使い方に問題があるかもしれません。
「過去問が解ける=本試験で得点できる」とは限らないからです。
この記事では、宅建の過去問は解けるのに模試で点が取れない5つの原因と、初見問題に強くなるための具体的な勉強法を解説します。
この記事の結論
過去問では点が取れるのに模試で点が取れない主な原因は、次の5つです。
- 得意な問題ばかり解いている
- 問題文と答えをセットで覚えている
- 解いた問題数とスピードを重視している
- 解説や周辺知識の確認が足りない
- 初見問題を解く機会が少ない
過去問は、宅建合格に欠かせない教材です。
しかし、正解だけを暗記したり、同じ問題を高速で繰り返したりするだけでは、問題の表現や切り口が変わったときに対応できません。
過去問学習では、正解数ではなく、各選択肢について正誤の理由を説明できるかを確認することが重要です。

過去問だけでなく初見問題にも挑戦しよう
宅建学習Webアプリ「宅スマ」では、過去問だけでなく、プロ講師が作成したオリジナル問題にも挑戦できます。
初めて見る問題を丁寧に読み、知識を使って正解を導く練習をすることで、本試験に必要な読解力と判断力を鍛えられます。
過去問で点が取れるのに模試で点が取れないのはなぜ?
過去問を何周もすると、当然ながら正答率は上がっていきます。
問題文の冒頭を読んだだけで、
「これは見たことがある」
「たしか答えは3番だった」
「この文章は×だったはず」
と思い出せるようになるからです。
しかし、そこで注意しなければならないのが、法律のルールを理解して解いているのか、それとも問題と答えを記憶しているだけなのかという点です。
同じ過去問で高得点を取れても、表現や登場人物、数字、問われ方が変わった瞬間に解けなくなるのであれば、本試験で使える知識としては定着していません。
模試は、過去問で覚えた知識を別の角度から問われたときにも使えるかを確認するための重要な機会です。
なお、直近の2025年度宅建試験の合格率は18.7%でした。過去10年間の合格率も、おおむね15~19%程度で推移しています。多くの受験生が過去問を使って勉強している中で合否が分かれるため、単に過去問を解くだけでなく、使い方にこだわる必要があります。
原因1:得意な問題ばかり解いている
過去問を何周かすると、次に何を勉強するかを自分で選ぶ機会が増えてきます。
このとき、多くの受験生が無意識にやってしまうのが、得意な分野ばかりを選ぶことです。
例えば、
- 農地法は得意だから農地法を解く
- 国土利用計画法は点が取れるから繰り返す
- 土地区画整理法は苦手だから後回しにする
- 権利関係は時間がかかるから宅建業法だけ解く
という状態です。
得意な問題は正解できるため、勉強した達成感を得やすくなります。
一方、苦手な問題は時間がかかり、間違える可能性も高いため、できれば避けたくなります。
しかし、すでに安定して正解できる問題を何度も解いても、得点の上積みにはつながりにくいでしょう。
1日1回の水やりで十分な花に、1日3回も水を与えているようなものです。
花を育てるためには、水やりだけでなく、日当たりや肥料、土の状態などにも目を向ける必要があります。
宅建の勉強も同じです。
得意分野をさらに繰り返すだけでなく、現在の弱点を見つけて改善することが合格につながります。
解決策:苦手な分野から先に解く
毎日の勉強メニューを決めるときは、苦手な分野から先に取り組みましょう。
おすすめは、次の順番です。
- 前回間違えた問題
- 正解したが根拠を説明できなかった問題
- 苦手分野の問題
- 得意分野の確認問題
「正解した問題」と「理解できている問題」は同じではありません。
正解できた場合でも、理由が曖昧だった問題には印を付け、優先的に復習しましょう。
原因2:問題文と答えをセットで覚えている
過去問を何度も繰り返していると、知識ではなく、問題文の見た目や特定の言葉から答えを思い出すことがあります。
例えば、次の問題を見てみましょう。
存続期間を10年以上30年未満とする事業用定期借地権の設定を目的とする契約は、公正証書等の書面によって締結することができる。
答えは**×**です。
10年以上30年未満の事業用定期借地権は、契約を公正証書によって行う必要があります。
「公正証書等の書面」とされているため、通常の書面でも契約できるように読める点が誤りです。借地借家法第23条では、該当する事業用定期借地権について公正証書による契約が求められています。
この問題を何度も見ていると、
「事業用定期借地権という言葉があるから×」
「前に見たときの答えが×だった」
と、反射的に判断してしまうことがあります。
しかし、本当に確認しなければならないのは、「公正証書等」という部分です。
本試験では、過去問とまったく同じ文章が出題されるとは限りません。
数字や言葉、登場人物、事例が変わっても、どこが正しく、どこが誤っているのかを判断する必要があります。
解決策:誤っている部分を特定する
○×問題を解くときは、○か×かを答えるだけで終わらせないようにしましょう。
×と判断した場合は、次の3点まで確認します。
- 文章のどこが誤っているのか
- 正しい内容に直すとどうなるのか
- 判断に使った法律上のルールは何か
先ほどの問題であれば、次のように説明できる状態を目指します。
「公正証書等」が誤り。10年以上30年未満の事業用定期借地権は、公正証書によって契約しなければならない。
ここまで説明できれば、問題の表現を変えられても対応しやすくなります。
原因3:解いた問題数とスピードを重視している
「今日は100問解いた」
「1問10秒で解けた」
「正答率が95%になった」
こうした数字は学習の成果を確認するうえで役立ちます。
しかし、問題数やスピードだけを目標にすると、問題文を丁寧に読む習慣が失われることがあります。
特に危険なのが、次のような解き方です。
- 問題文を最後まで読まずに答える
- 見覚えのあるキーワードだけで判断する
- 正解した問題の解説を読まない
- 間違えても答えだけ確認して次へ進む
- 早く終わらせることが目的になっている
宅建試験では、「必ず」「直ちに」「遅滞なく」「書面」「公正証書」「できる」「しなければならない」といった細かな表現が正誤を左右します。
一文字や一語の違いを見落とせば、知識があっても失点します。
解決策:速く解く問題と丁寧に解く問題を分ける
すべての問題をゆっくり解く必要はありません。
知識を確認するための高速演習と、読解力を鍛えるための丁寧な演習を分けましょう。
高速演習
- 一度十分に理解した問題
- 基本知識の確認
- スキマ時間の復習
- 記憶が残っているかのチェック
丁寧な演習
- 初見問題
- 間違えた問題
- 個数問題や組み合わせ問題
- 正解したが根拠が曖昧な問題
- 問題文が長い事例問題
初見問題を解くときは、正解数よりも思考過程を重視してください。
原因4:解説や周辺知識の確認が足りない
問題に正解すると、安心してすぐに次の問題へ進みたくなります。
しかし、偶然正解した問題や、消去法だけで正解した問題には、理解できていない知識が残っている可能性があります。
特に四択問題では、正解肢だけを確認して終わらせるのは危険です。
本試験では、今回誤りだった選択肢が、次回は正解肢として出題されるかもしれません。
過去問を一問解いたら、正解肢だけでなく、すべての選択肢について根拠を確認することが重要です。
解決策:一問から周辺知識まで復習する
問題を解いた後は、次の流れで復習しましょう。
1.問題文を丁寧に読み直す
読み飛ばした条件や、正誤を左右する言葉がなかったかを確認します。
2.すべての選択肢の理由を確認する
正解肢だけでなく、ほかの選択肢がなぜ正しいのか、なぜ誤っているのかを確認します。
3.テキストで周辺知識を確認する
問題に直接出ていない関連ルールも、一緒に確認します。
例えば、事業用定期借地権の問題を解いたのであれば、契約方式だけでなく、存続期間、利用目的、建物買取請求権なども整理しておきます。
4.自分の言葉で説明する
最後に、解説を閉じた状態で正誤の理由を説明します。
説明できなければ、まだ知識が定着していない可能性があります。
過去問は、正解数を確認するためだけの問題集ではありません。
試験に出る知識と、問われ方を学ぶための教材として活用しましょう。
原因5:初見問題を解く機会が少ない
過去問は宅建学習の中心になる重要な教材です。
しかし、同じ問題だけを繰り返していると、問題そのものに慣れてしまいます。
そこで必要になるのが、初めて見る問題を解く練習です。
初見問題では、過去問の答えを思い出す方法が使えません。
問題文を丁寧に読み、自分が持っている知識を引き出し、正誤の根拠を考える必要があります。
この過程によって、次の力を確認できます。
- 問題の意図を読み取る力
- 知識を正確に引き出す力
- 表現の違いに対応する力
- 誤っている箇所を特定する力
- 時間内に判断する力
つまり、初見問題は、過去問で学んだ知識が本当に使える状態になっているかを確認するテストになります。
初見問題に強くなるには宅スマのオリジナル問題がおすすめ
過去問学習で知識を身につけたら、次は初見問題で知識を使う練習を行いましょう。
宅建学習Webアプリ「宅スマ」には、過去問に加えて、プロ講師が作成したオリジナル問題が収録されています。
宅スマのオリジナル問題は、本試験で問われやすい頻出テーマを中心に作られており、問題画面にも「オリジナル問題」と表示されます。
過去問の答えを覚えているだけでは解けないため、
- 問題文を最後まで丁寧に読む
- 何を聞かれているのかを確認する
- 自分の知識から根拠を引き出す
- 誤りの箇所を特定する
- 初めて見る表現にも対応する
といった練習ができます。
宅スマ公式サイトでは、オリジナル問題を含む3,000問以上の問題を掲載していることが案内されています。
宅スマがおすすめの人
- 過去問を何周もして答えを覚えてしまった人
- 過去問では高得点なのに模試で点が取れない人
- 初見問題になると自信がなくなる人
- 個数問題や組み合わせ問題が苦手な人
- 問題文を読み飛ばす癖がある人
- 市販の問題集を追加で購入するか迷っている人
過去問でインプットした知識を、オリジナル問題でアウトプットすることで、本試験に向けた実戦力を高められます。

模試の点数が低かったときにやるべきこと
模試で合格点を取れなかったからといって、必要以上に落ち込む必要はありません。
模試の目的は、合格できるかどうかを宣告してもらうことではなく、本試験までに直すべき弱点を見つけることです。
点数だけを見て終わらせず、失点の原因を分類しましょう。
知識不足による失点
ルールそのものを知らずに間違えた問題です。
テキストや講義に戻り、基本知識から確認します。
理解不足による失点
知識は見たことがあるものの、条件や例外を正確に理解していなかった問題です。
「原則と例外」「誰が」「いつまでに」「どのような方法で」を整理しましょう。
読み間違いによる失点
「正しいもの」「誤っているもの」「いくつあるか」といった質問を読み間違えた問題です。
問題文の指示に線を引くなど、読み方を改善します。
記憶違いによる失点
数字や期間、手続の順番などを混同した問題です。
似ている制度を表にして比較すると整理しやすくなります。
時間不足による失点
一つの問題に時間をかけすぎたことで、後半の問題を十分に検討できなかったケースです。
迷った問題はいったん飛ばすなど、時間配分を見直しましょう。
模試を受けるタイミング
模試は、ある程度全範囲の学習が終わってから受けるのがおすすめです。
まだ学習していない範囲が多い段階では、知らない問題が多くなり、正確な実力判定が難しくなるからです。
7月ごろに模試を受ける場合は、全範囲を一通り学習し終えている人に向いています。
まだインプットが終わっていない場合は、無理に点数を求めるよりも、まずは全範囲を終わらせることを優先しましょう。
9月以降は、本試験の時間配分や初見問題への対応力を確認するため、積極的に模試を活用したい時期です。
市販模試でも会場模試でも構いません。
大切なのは、受けた後に必ず復習することです。
模試の復習には、解答にかかった時間の2倍程度を確保し、すべての選択肢について確認するつもりで取り組みましょう。
過去問の正しい使い方
過去問は、回数を増やすことよりも、1問からどれだけ学べるかが重要です。
次の5ステップで取り組みましょう。
ステップ1:問題文を最後まで読む
見覚えがある問題でも、すぐに答えを選ばず、条件を一つずつ確認します。
ステップ2:答えの根拠を考える
○か×かだけでなく、判断に使ったルールを頭の中で説明します。
ステップ3:誤りの部分を特定する
×の選択肢では、どの言葉や数字が誤っているかを見つけます。
ステップ4:正しい文章に直す
誤った選択肢を、正しい内容に修正します。
ステップ5:初見問題で確認する
同じテーマのオリジナル問題を解き、表現が変わっても判断できるかを確認します。
この5ステップを繰り返すことで、「過去問を覚えている状態」から「知識を使って問題を解ける状態」へ移行できます。
過去問で高得点でも安心してはいけないチェックリスト
次の項目に当てはまるものがないか確認してみてください。
- 問題文の途中で答えを思い出す
- 正解肢の番号を覚えている
- 正解した問題の解説は読まない
- ×の理由を説明できない
- 得意分野ばかり選んでいる
- 苦手分野を後回しにしている
- 1日に解いた問題数ばかり気にしている
- 初見問題をほとんど解いていない
- 模試を一度も受けていない
- 模試を受けても点数だけ確認している
3つ以上当てはまる場合は、過去問の答えを覚える学習になっている可能性があります。
これからは、正答率だけでなく、理由を説明できた問題の割合も意識しましょう。
よくある質問
過去問は何周すればよいですか?
回数だけで判断するのはおすすめできません。
3周していても、答えだけ覚えている状態では不十分です。一方、各選択肢の根拠を説明できるのであれば、必要以上に同じ問題を繰り返す必要はありません。
「何周したか」ではなく、「全肢について理由を説明できるか」を基準にしてください。
過去問で何点取れれば模試を受けてよいですか?
正答率だけでなく、全範囲の学習が終わっているかを基準にしましょう。
過去問で合格点を取れていても、未学習分野が多い場合や、答えを暗記している場合は、模試で点数が下がる可能性があります。
模試で合格点を取れなかったら不合格ですか?
模試の点数だけで本試験の合否が決まるわけではありません。
間違えた原因を分析し、本試験までに改善できれば十分に合格を目指せます。
ただし、復習せずに模試を受け続けるだけでは、得点力は上がりにくいでしょう。
初見問題は何問くらい解けばよいですか?
最初から大量に解く必要はありません。
まずは1日10問程度でもよいので、問題文を丁寧に読み、すべての選択肢の根拠を確認してください。
慣れてきたら、分野別演習や50問形式の模試にも挑戦しましょう。
宅建試験の公式情報はどこで確認できますか?
試験日程、申込方法、合格発表などは、不動産適正取引推進機構の宅建試験ページで確認できます。最新情報は必ず公式サイトで確認してください。
まとめ|過去問の暗記から初見問題を解く勉強へ切り替えよう
過去問では点が取れるのに模試で点が取れない主な原因は、次の5つです。
- 得意な問題ばかり解いている
- 問題文と答えをセットで覚えている
- 解いた問題数とスピードを重視している
- 解説や周辺知識の確認が足りない
- 初見問題を解く機会が少ない
過去問が解けること自体は、悪いことではありません。
過去問を繰り返した成果が出ている証拠です。
しかし、過去問で高得点を取れるだけで安心してしまうと、表現や切り口を変えられた問題に対応できない可能性があります。
これから過去問を解くときは、必ず次の点を確認してください。
- なぜ○なのか
- なぜ×なのか
- どの部分が誤っているのか
- 正しい内容に直すとどうなるのか
- 表現を変えられても判断できるか
説明に詰まった問題は、まだ知識が曖昧な問題です。
その曖昧さを一つずつ解消することが、本試験での1点、2点につながります。
そして、過去問で身につけた知識が本当に使えるかを確認するために、初見のオリジナル問題にも挑戦しましょう。
宅スマでは、過去問に加えて、プロ講師が作成したオリジナル問題をスマホで解くことができます。
模試や本試験で初めて見る問題にも対応できるよう、今のうちから実戦的な問題演習を取り入れてください。


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