受験された皆様、お疲れ様でした。昨年に引き続き、今年も難しい試験となりました。
令和8年度(2026年度)の問題と解説を掲載します。
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問題・解説 目次
| 問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
| 問6 | 問7 | 問8 | 問9 | 問10 |
| 問11 | 問12 | 問13 | 問14 | 問15 |
| 問16 | 問17 | 問18 | 問19 | 問20 |
| 問21 | 問22 | 問23 | 問24 | 問25 |
| 問26 | 問27 | 問28 | 問29 | 問30 |
| 問31 | 問32 | 問33 | 問34 | 問35 |
| 問36 | 問37 | 問38 | 問39 | 問40 |
| 問41 | 問42 | 問43 | 問44 | 問45 |
| 問46 | 問47 | 問48 | 問49 | 問50 |
所有者の所在を知ることができない土地及び所有者による管理が不適当である土地に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 所有者の所在を知ることができない土地が存在する場合、公益性の観点から、誰であっても、裁判所に対して、所有者不明土地管理命令を請求することができる。
2 相続によって共有となった土地の共有者の中に、他の共有者が所在を知ることができない共有者がいる場合、相続開始の時から10年を経過していなければ、所有者不明土地管理命令の請求がなされても、裁判所は所有者不明土地管理命令を発することはできない。
3 所有者の所在を知ることができない土地について、裁判所が所有者不明土地管理命令によって選任した所有者不明土地管理人は、裁判所の許可を得なくても、保存行為や、当該土地の性質を変えない範囲内においてその利用又は改良を目的とする行為を行うことができる。
4 所有者による管理が不適当である土地について、裁判所が管理不全土地管理命令によって選任した管理不全土地管理人は、所有者の同意がなくても、裁判所の許可を得て、当該土地を処分することができる。
正解:3
1 誤り。
所有者不明土地管理命令を請求できるのは、利害関係人である。所有者の所在が分からない土地であっても、誰でも請求できるわけではない(民法264条の2第1項)。
2 誤り。
所有者不明土地管理命令には、相続開始から10年の経過を必要とする制限はない。したがって、相続によって共有となった土地でも、所在不明の共有者の持分について、必要があれば10年を待たずに管理命令を発することができる(民法264条の2第1項)。
3 正しい。
所有者不明土地管理人は、保存行為や、土地の性質を変えない範囲での利用・改良行為を、裁判所の許可なく行うことができる。これらの範囲を超える行為には、裁判所の許可が必要となる(民法264条の3第2項)。
4 誤り。
管理不全土地管理人が土地を処分するには、裁判所の許可に加え、土地所有者の同意が必要となる。したがって、裁判所の許可を得ても、所有者の同意なしに土地を処分することはできない(民法264条の10第2項・第3項)。
A所有の甲建物をBがAから賃借して引渡しを受けている。その後に生じた状況についての以下の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 CがAから甲建物を買い受けた場合、BはCに対して、Cが所有権移転登記を備えていないことを理由に甲建物の賃料の支払を拒むことはできない。
2 AがDとの間で、Bに対する賃貸人たる地位をAが留保し甲建物をDがAに賃貸するとの合意をしつつDに甲建物を売却した場合、甲建物のBに対する賃貸人たる地位は、Dに移転しない。
3 AがEと、夫婦財産契約を締結せずに婚姻した場合、甲建物は、夫婦の共有財産となる。
4 Bの責めに帰すべき事由によって甲建物の修繕が必要となった場合であっても、Aは甲建物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。
正解:2
1 誤り。
建物の譲受人が賃貸人として賃料を請求するには、所有権移転登記を備える必要がある。したがって、Cが登記を備えていない間、賃借人Bは、賃貸人の地位の移転を対抗されないことを理由に、Cへの賃料の支払を拒むことができる。なお、賃料そのものの支払義務がなくなるわけではない(民法605条の2第3項)。
2 正しい。
建物の売買に際し、売主と買主が、賃貸人の地位を売主に残し、買主から売主にその建物を賃貸する旨を合意した場合、賃貸人の地位は買主に移転しない。本問では、この合意によりAが引き続き賃借人Bに対する賃貸人となるため、買主DはBに対する賃貸人の地位を取得しない(民法605条の2第2項)。
3 誤り。
夫婦の一方が婚姻前から所有していた財産は、その者が単独で有する特有財産となる。したがって、夫婦財産契約を締結せずにAとEが婚姻しても、Aが婚姻前から所有する甲建物が当然に共有財産となることはない(民法762条1項)。
4 誤り。
賃貸人は、原則として、賃貸物の使用・収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によって修繕が必要となった場合は、その義務を負わない。したがって、賃借人Bの責任によって修繕が必要となった本問では、賃貸人Aに修繕義務はない(民法606条1項)。
A、B及びCが別荘として甲建物を共同購入した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、A、B及びCの持分はそれぞれ3分の1ずつであり、甲建物の使用について別段の合意はないものとする。
1 Aは、甲建物の3分の1の面積に相当する部分を排他的に使用することができる。
2 Aは、自己の持分に抵当権を設定する場合、B及びCの同意を得る必要がある。
3 Aは、自己の持分を超えて甲建物を使用した場合、自己の持分を超える使用の対価を、B及びCに償還する義務を負う。
4 Aは、甲建物の購入から5年を経過しなければ、自己の持分を譲渡することができない。
正解:3
1 誤り。
各共有者は、共有物の全部について、持分に応じた使用をすることができる。持分3分の1とは、建物の特定の3分の1の部分を単独で所有するという意味ではない。したがって、使用について別段の合意がない本問では、Aが当然に建物の3分の1の面積に相当する部分を排他的に使用できるわけではない(民法249条1項)。
2 誤り。
共有者は、自己の共有持分については、他の共有者の同意を得ずに抵当権を設定することができる。したがって、Aが自己の持分だけに抵当権を設定する場合、B・Cの同意は不要である。甲建物全体に抵当権を設定する場合とは区別する必要がある。
3 正しい。
共有物を使用する共有者は、別段の合意がない限り、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還しなければならない。本問では、使用について別段の合意がないため、Aが自己の持分を超えて甲建物を使用した場合、B・Cに対して、その超過使用に相当する対価を支払う義務を負う(民法249条2項)。
4 誤り。
共有者は、原則として、自己の共有持分を自由に譲渡することができ、購入から5年間は譲渡できないという制限はない。なお、5年を超えない期間内で認められるのは、共有物を分割しない旨の契約であり、共有持分の譲渡を禁止する制度ではない(民法256条1項)。
AとBが再婚した後、Aが7,200万円の財産を残して死亡した。Aには再婚前の子C及びDがいたが、いずれもAより先に死亡しており、Cには子EとFが、Dには子Gがそれぞれおり、Bには再婚前の子であるHがいる。この場合の相続財産の法定相続分としての金額につき、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 B 3,600万円、E 1,200万円、F 1,200万円、G 1,200万円
2 B 3,600万円、E 800万円、F 800万円、G 800万円、H 1,200万円
3 B 3,600万円、E 900万円、F 900万円、G 1,800万円
4 B 3,600万円、E 900万円、F 900万円、G 900万円、H 900万円
正解:3
1 誤り。
代襲相続では、先に死亡した子が受けるはずだった相続分を、その子の子が引き継ぐ。配偶者Bが3,600万円、C・Dの分が各1,800万円となり、Cの分をE・Fが900万円ずつ、Dの分をGが1,800万円相続する。E・F・Gの3人で均等に分けるわけではない(民法900条、901条)。
2 誤り。
配偶者の連れ子は、被相続人と養子縁組をしていなければ相続人にならない。HはBの子であり、Aとの養子縁組もないため、Aの財産を相続しない。相続するのはB・E・F・Gである(民法887条、890条)。
3 正しい。
配偶者Bの法定相続分は2分の1で、7,200万円×2分の1=3,600万円となる。残りの3,600万円はC・Dの分として各1,800万円に分かれ、Cの子E・Fが各900万円、Dの子Gが1,800万円を代襲相続する(民法887条2項、900条、901条)。
4 誤り。
HはAの相続人ではないため、相続分はない。また、GはDが受けるはずだった1,800万円を単独で引き継ぐ。したがって、正しい金額はBが3,600万円、E・Fが各900万円、Gが1,800万円となる(民法887条、900条、901条)。
契約の終了に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 書面によらない贈与は、未履行部分について、各当事者が契約の解除をすることができる。
2 書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。
3 書面によらない使用貸借の貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。
4 書面でする使用貸借は、貸主の死亡によって契約が終了する。
正解:4
1 正しい。
書面によらない贈与は、贈与者・受贈者のどちらからでも解除できる。ただし、すでに履行が終わった部分は解除できず、解除できるのは未履行の部分に限られる(民法550条)。
2 正しい。
書面でする消費貸借では、借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで契約を解除できる(民法587条の2第2項)。
3 正しい。
書面によらない使用貸借では、貸主は、借主が借用物を受け取るまで契約を解除できる。書面による使用貸借の場合は、受取り前であることを理由とする貸主からの解除は認められない(民法593条の2)。
4 誤り。
使用貸借は、借主の死亡によって終了するのであり、貸主の死亡によって当然に終了するものではない。これは、書面で契約した場合でも同様である(民法597条3項)。
売買契約と賃貸借契約に関する次の記述について、民法の規定及び判例によれば、正しいものの組合せは1から4のうちどれか。
ア 売買契約も賃貸借契約もそれぞれ他人が所有する動産を目的とすることができる。
イ 引き渡された目的物が品質について契約の内容に適合しない場合、売買契約の買主は売主に対し、賃貸借契約の借主は貸主に対し、それぞれ目的物の修補等履行の追完を請求することができる。なお、契約の内容の不適合については、買主や借主の責めに帰すべき事由によらないものとする。
ウ 売買契約の売主が売主の地位を他に譲渡する場合も、賃貸借の目的となっている土地の所有者がその所有権とともに賃貸人の地位を他に譲渡する場合も、譲渡人と譲受人の合意があれば地位は移転し、買主や賃借人の承諾は必要ない。
エ 売買契約の場合も賃貸借契約の場合も、一方当事者に債務不履行があることによって他方の当事者が契約を解除した場合、契約は契約締結時に遡って効力を失い、買主も賃借人もそれぞれ原状回復義務を負う。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、エ
4 ア、ウ、エ
正解:1
ア 正しい。
売買契約も賃貸借契約も、目的物が他人の所有物であることだけを理由に無効とはならない。売買では、売主がその権利を取得して買主に移転する義務を負い、賃貸借では、賃貸人が賃借人に目的物を使用・収益させる義務を負う。契約の有効性と、その義務を実際に履行できるかは、区別して考える。
イ 正しい。
引き渡された目的物の品質が契約内容に適合しない場合、買主は売主に対し、修補などの履行の追完を請求できる。また、賃貸人も、賃貸物の使用・収益に必要な修繕をする義務を負う。本問では、買主や賃借人の責めに帰すべき事由による不適合ではないため、買主は売主に、賃借人は賃貸人に、それぞれ修補等を求めることができる(民法562条・606条)。
ウ 誤り。
売買契約の売主の地位を第三者に移転するには、原則として、譲渡人と譲受人の合意に加えて、契約の相手方である買主の承諾が必要となる。一方、賃貸不動産の所有権の譲渡に伴い、賃貸人の地位を譲受人に移転させる場合は、賃借人の承諾を必要としない。したがって、どちらも相手方の承諾が不要とする点が誤りである(民法539条の2・605条の3)。
エ 誤り。
売買契約が解除された場合、原則として契約の効力は契約時に遡って失われ、当事者は互いに原状回復義務を負う。一方、賃貸借契約の解除は、将来に向かってのみ効力を生ずる。そのため、賃借人には目的物の返還義務が生じるが、解除前の使用・収益まで遡ってなかったことになるわけではない(民法545条・620条)。
代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはいくつあるか。
ア 代理人が相手方に対してした意思表示の効力が詐欺によって影響を受けるべきものである場合、その詐欺の事実の有無は、代理人についてではなく本人について決する。
イ 代理権を有しない者がAの代理人として契約をした場合、相手方は、Aに対し、相当の期間を定めてその期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができ、Aがその期間内に確答をしないときは、追認をしたものとみなされる。
ウ 同一の法律行為について、当事者双方の代理人としてした行為は無権代理行為とみなされるため、登記申請について、同一人が登記権利者及び登記義務者双方の代理人となることはできない。
エ 復代理人は、その権限の範囲内において代理人と同一の権利を有し、義務を負うため、特別の事情がない限り、その権限の範囲内で相手方から受領した物を本人に対して引き渡す義務を負うだけであり、代理人に対しては引き渡す義務を負わない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
正解:4
ア 誤り。
代理人がした意思表示について、詐欺の有無は、原則として代理人を基準に判断する。したがって、本人を基準に判断するとする点は誤りである(民法101条1項)。
イ 誤り。
無権代理の相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて追認するかどうかの回答を求めることができる。本人Aがその期間内に回答しなかった場合は、追認したのではなく、追認を拒絶したものとみなされる(民法114条)。
ウ 誤り。
双方代理は原則として無権代理行為とみなされるが、債務の履行や、本人があらかじめ許諾した行為は例外となる。登記申請は債務の履行に当たるため、同一人が登記権利者と登記義務者の双方を代理することができる(民法108条1項)。
エ 誤り。
適法に復代理人が選任された場合、復代理人は、特別の事情がない限り、本人だけでなく代理人に対しても受領物を引き渡す義務を負う。したがって、代理人に対しては引渡義務を負わないとする点は誤りである(最判昭和51年4月9日)。
Aを売主、Bを買主とする甲建物の売買契約(以下この問において「本件売買契約」という。)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 BがAに甲建物の売買代金を支払った後に、Aの債務の不履行により本件売買契約が解除された場合において、AからBに売買代金を返還するときは、その解除の時から利息を付さなければならない。
2 BがCに対して甲建物を転売した後に、AとBとの間で本件売買契約が契約時点に遡って合意解除された場合、Cは、甲建物の所有権登記を備えていなくても当該合意解除がされることにつき善意かつ無過失であれば、Aに甲建物の所有権を対抗することができる。
3 本件売買契約において、債務の不履行につき損害賠償の額が予定されていたときは、A及びBは、相手方に債務の不履行があっても、本件売買契約を解除することはできない。
4 Aは本件売買契約の解除権を有していたが、これを行使する前に死亡してその相続人であるD、E及びFが売主としての地位を承継した場合、本件売買契約の解除は、D、E及びFの全員からでなければ、することができない。
正解:4
1 誤り。
契約の解除により売買代金を返還する場合、代金を受け取った時から利息を付けなければならない。したがって、Aは、解除の時からではなく、Bから売買代金を受領した時からの利息を付けて返還する必要がある(民法545条2項)。
2 誤り。
売買契約が契約時に遡って合意解除された場合でも、解除前に買主から不動産を取得した第三者は、登記を備えていれば、その権利を保護される。しかし、登記を備えていないCは、合意解除について善意無過失であっても、Aに対して甲建物の所有権を対抗できない(判例)。
3 誤り。
損害賠償額の予定は、債務不履行があった場合に支払う賠償額をあらかじめ定めるものであり、解除権の行使を妨げるものではない。したがって、損害賠償額が予定されていても、解除の要件を満たせば契約を解除できる(民法420条2項)。
4 正しい。
契約の一方の当事者が複数いる場合、解除は、その全員から、またはその全員に対して行わなければならない。これを解除権の不可分性という。本問では、D・E・FがAの売主としての地位を共同で相続しているため、解除権は3人全員で行使する必要がある(民法544条1項)。
A所有の甲土地上の乙建物のための法定地上権の成否に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 甲土地に順位1番の抵当権が設定された後にA所有の乙建物が建築され、その後甲土地に順位2番の抵当権が設定されて、順位2番の抵当権者の申立てにより甲土地の競売がなされて甲土地の所有者がBとなった。この場合、乙建物のために法定地上権が成立する。
2 C所有の乙建物がある甲土地に順位1番の抵当権が設定された後にAが乙建物の所有権を取得し、その後甲土地にDのために順位2番の抵当権が設定された。甲土地の順位1番の抵当権が設定契約の解除により消滅した後に甲土地のDの抵当権が実行されて甲土地の所有者がEとなった場合、乙建物のために法定地上権が成立する。
3 F所有の乙建物がある甲土地に抵当権が設定された。甲土地の抵当権が実行されて競落に至る直前に乙建物の所有者がAとなった場合、乙建物のために法定地上権は成立しない。
4 甲土地に抵当権が設定された後に、A所有の乙建物が建築され、甲土地の抵当権が実行されて甲土地の所有者がGとなった。この場合、原則として乙建物のために法定地上権は成立しない。
正解:1
1 誤り。
土地に複数の抵当権が設定されている場合、法定地上権の成立は、原則として1番抵当権の設定時を基準に判断する。本問では、その時点で乙建物が存在していないため、2番抵当権者の申立てによる競売であっても、乙建物のための法定地上権は成立しない。
2 正しい。
1番抵当権が設定契約の解除によって消滅した後に2番抵当権が実行された場合は、2番抵当権の設定時を基準に判断する。本問では、その時点で甲土地と乙建物がいずれもAの所有であり、競売によって土地の所有者がEとなったため、乙建物のための法定地上権が成立する(最判平成19年7月6日)。
3 正しい。
法定地上権が成立するには、抵当権の設定時に土地と建物が同一の所有者に属している必要がある。本問では、設定時の土地所有者はA、建物所有者はFであるため、その後にAが乙建物を取得しても、法定地上権は成立しない(民法388条)。
4 正しい。
更地に抵当権が設定された後で建物が建築された場合、原則として法定地上権は成立しない。抵当権者は建物のない土地の担保価値を見込んでおり、後から法定地上権の負担を生じさせると、その利益を害するためである。
契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 使用貸借契約においては、期間や使用収益の目的を定めているか否かにかかわらず、借主は、いつでも契約の解除をすることができる。
2 賃貸借契約は、期間の定めがある場合であっても、賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなったときには、終了する。
3 請負契約においては、請負人が仕事を完成しているか否かにかかわらず、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。
4 委任契約において、相手方に不利な時期に解除したときは、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。
正解:3
1 正しい。
使用貸借の借主は、いつでも契約を解除することができる。期間や使用・収益の目的を定めている場合でも同様であり、期間の満了や目的の達成を待つ必要はない(民法598条3項)。
2 正しい。
賃借物の全部が滅失するなどして、使用・収益ができなくなった場合、賃貸借契約は当然に終了する。期間の定めがある場合でも、期間満了を待つ必要はなく、解除の意思表示も不要である(民法616条の2)。
3 誤り。
注文者が損害を賠償して請負契約を任意に解除できるのは、請負人が仕事を完成する前までである。仕事が完成した後は、この規定による解除はできない(民法641条)。
4 正しい。
委任契約は、各当事者がいつでも解除できる。ただし、相手方に不利な時期に解除した場合は、原則として、それによって生じた損害を賠償しなければならない。やむを得ない事由がある場合は、この賠償義務を負わない(民法651条)。
AがBとの間で、A所有の甲土地につき、期間60年とする賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結する場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
1 本件契約において、専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。)の所有を目的とする旨を定め、かつ、契約の更新がないことを定める場合には、公正証書によって契約しなければならない。
2 本件契約が甲土地を資材置場とすることを目的とし、建物を所有することを目的としない場合には、存続期間を60年と定めても、期間は50年となる。
3 本件契約が建物の所有を目的とし、書面で締結する場合、更新がない旨及び本件契約が期間満了した場合にBはAに対して甲土地上の建物の買取りを請求しない旨を定めることはできるが、BがAに対して地代減額を請求しない旨を定めても、地代が不相当となったときは、Bは地代減額請求をすることができる。
4 本件契約が建物の所有を目的とする場合、甲土地上にBが所有する建物について、Bと氏を同じくし、かつ、未成年の長男名義で保存登記をしても、甲土地が第三者であるCに売却された場合には、Bは借地権をCに対抗することができない。
正解:1
1 誤り。
期間60年の借地契約では、建物が事業用であっても、一般定期借地権を設定することができる。一般定期借地権の更新をしない旨などの特約は、書面等で定めればよく、公正証書に限られない。なお、公正証書による契約が必要な事業用定期借地権は、存続期間が10年以上50年未満の場合の制度であり、本問の60年契約は対象とならない(借地借家法22条・23条)。
2 正しい。
資材置場として土地を借りる場合、建物の所有を目的としないため、借地借家法の借地に関する規定は適用されない。この場合は民法が適用され、賃貸借の存続期間の上限は50年となる。したがって、期間を60年と定めても、50年に短縮される(民法604条1項)。
3 正しい。
期間60年の借地契約では、書面により、契約の更新をせず、期間満了時の建物買取請求もしない旨の特約を有効に定めることができる。一方、地代が不相当になっても減額請求を認めないという特約は、借地人に不利なため無効である。したがって、Bは、その特約があっても、減額請求の要件を満たせば地代の減額を請求できる(借地借家法11条1項・22条)。
4 正しい。
借地権の登記がなくても、借地人が土地上に自己名義で登記された建物を所有していれば、借地権を第三者に対抗できる。しかし、建物の登記名義が借地人以外の者である場合は、この対抗力は認められない。したがって、Bと同じ氏の未成年の長男名義で保存登記をしても、Bは、その登記を根拠として借地権をCに対抗することはできない(借地借家法10条1項、判例)。
居住の用に供する建物の賃貸借契約(定期建物賃貸借契約及び一時使用目的の建物の賃貸借契約を除く。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 「建物の引渡しがあっても、建物の賃貸借の登記がなければ、賃借人はその後その建物について物権を取得した者に賃借権を対抗することができない」旨の特約がある場合、この特約は無効である。
2 建物の転貸借がされている場合において、「建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときは、賃貸人は転借人にその旨の通知をしなくてもその終了を転借人に対抗することができる」旨の特約がある場合、この特約は無効である。
3 借地権の目的である土地の上の建物につき賃貸借がされている場合において、「借地権の存続期間の満了によって建物の賃借人が土地を明け渡すべきときは、建物の賃借人が借地権の存続期間が満了することをその1年前までに知らなかったとしても建物の賃借人は裁判所に土地の明渡しにつき相当の期限の許与を求めることはできない」旨の特約がある場合、この特約は無効である。
4 「賃借人が相続人なしに死亡した場合において、死亡の当時婚姻の届出をしていないが、賃借人と事実上夫婦と同様の関係にあった同居者があるときであっても、その同居者は賃借人の権利義務を承継しない」旨の特約がある場合、この特約は無効である。
正解:4
1 正しい。
建物の賃貸借は、登記がなくても、建物の引渡しを受けていれば、その後に建物の所有権などを取得した第三者に対抗できる。この対抗力を認めず、登記がなければ第三者に賃貸借を主張できないとする特約は、賃借人に不利なため無効である(借地借家法31条1項・37条)。
2 正しい。
建物が転貸されている場合、元の賃貸借が期間満了や解約の申入れによって終了しても、賃貸人は、転借人にその旨を通知しなければ、終了を転借人に対抗できない。通知をした場合、転貸借は通知の日から6か月を経過すると終了する。したがって、この通知を不要とする特約は、転借人に不利なため無効である(借地借家法34条・37条)。
3 正しい。
借地期間の満了により、借地上の建物の賃借人が土地を明け渡す必要がある場合、その満了を1年前までに知らなかった賃借人は、裁判所に明渡期限の猶予を求めることができる。裁判所は、賃借人が満了を知った日から1年を超えない範囲で、相当の期限を認めることができる。この請求を認めないとする特約は、建物の賃借人に不利なため無効である(借地借家法35条・37条)。
4 誤り。
居住用建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合、事実上夫婦と同様の関係にあった同居者は、原則として賃借人の権利義務を承継する。ただし、この承継を定める規定は、借地借家法37条によって不利な特約が無効とされる対象には含まれていない。したがって、承継を認めない特約が、同条により当然に無効となるわけではない(借地借家法36条・37条)。
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 集会の招集については、会議の日時、会議の場所、会議の目的たる事項及び議案の要領を示したうえで、少なくとも集会開催日の1週間前までに、各区分所有者に通知する必要がある。また、当該通知の期間については規約により伸長又は短縮が可能である。
2 共用部分の変更は集会において、出席しない区分所有者を含めたすべての区分所有者及びその議決権総数の各4分の3以上の多数による決議で決しなければならない。
3 建替え決議など区分所有権の処分を伴う集会の決議について、所在等不明区分所有者を裁判により母数から除外することが可能であり、当該決議に無関心で集会に出席しない区分所有者も決議の母数から除外することができる。
4 区分所有者が、国内に住所又は居所を有せず、又は有しないこととなる場合には、その専有部分及び共用部分の管理に関する事務を行わせるため、国内に住所又は居所を有する者のうちから国内管理人を選任することができるが、この国内管理人は保存行為のみでなく、専有部分の性質を変えない範囲内であれば、その利用又は改良を目的とする行為もすることができる。
正解:4
1 誤り。
集会の招集通知は、原則として、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的となる事項と議案の要領を示して発しなければならない。この通知期間は、規約で延ばすことはできるが、短縮することはできない。したがって、規約により短縮もできるとする点が誤りである(区分所有法35条1項)。
2 誤り。
共用部分の変更のうち、形状または効用の著しい変更を伴うものは、原則として、区分所有者数と議決権の各過半数を満たす者が出席した集会で、出席した区分所有者とその議決権の各4分の3以上の賛成により決する。欠席者を含む全員ではなく、出席者を基準に賛成割合を判断するため、本肢は誤りである(区分所有法17条1項)。
3 誤り。
区分所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない場合、裁判所の裁判により、その者を集会決議の母数から除外することができる。しかし、単に集会に無関心で出席しない者まで、この制度によって除外できるわけではない。建替え決議では、通常の欠席者も原則として決議の母数に含まれる(区分所有法38条の2・62条)。
4 正しい。
国内に住所・居所を有しない、または有しなくなる区分所有者は、専有部分や共用部分の管理事務を行わせるため、国内に住所・居所を有する者から国内管理人を選任できる。国内管理人は、保存行為に加え、専有部分の性質を変えない範囲で、利用・改良を目的とする行為も行うことができる(区分所有法6条の2)。
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 所有権の登記名義人が国内に住所を有しない場合であっても、その国内における連絡先となる者の氏名又は名称及び住所を登記することはできない。
2 建物の名称があるときは、その名称は当該建物の表示に関する登記の登記事項である。
3 配偶者居住権は、登記することができる。
4 賃料は、賃借権の登記の登記事項である。
正解:1
1 誤り。
所有権の登記名義人が国内に住所を有しない場合、国内の連絡先となる者の氏名又は名称・住所等は、所有権の登記の登記事項となる。したがって、これらを登記することができる。
2 正しい。
建物に名称がある場合、その名称は建物の表示に関する登記の登記事項となる。建物の所在、種類、構造、床面積などとともに、表題部に記録される。
3 正しい。
配偶者居住権は、登記することができる権利である。登記をすることで、その後に建物を取得した第三者に対しても、配偶者居住権を主張できる。
4 正しい。
賃料は、賃借権の登記の登記事項である。また、賃料の支払時期について定めがある場合は、その定めも登記事項となる。
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 準工業地域は、主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域とする。
2 都市再生特別措置法の規定による特定用途誘導地区は、用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区とする。
3 区域区分が定められていない都市計画区域内においては、地域地区、促進区域、都市施設、市街地開発事業を定めることができる。
4 地区計画は、建築物の建築又はその敷地の造成が無秩序に行われると見込まれる一定の土地の区域で、公共施設の整備の状況、土地利用の動向等からみて不良な街区の環境が形成されるおそれがある土地の区域について定めることができる。
正解:2
1 正しい。
準工業地域は、主として、環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するために定める地域である。
2 誤り。
本肢は、特別用途地区の説明である。特別用途地区は、用途地域内の一定の地区について、その特性に応じた土地利用の増進や環境保護などを図るため、用途地域の指定を補完して定められる。
一方、特定用途誘導地区は、都市機能誘導区域内で誘導施設を有する建築物の建築を促進するため、容積率や用途の制限を緩和する仕組みである。両者を混同している点が誤りである(都市計画法9条、都市再生特別措置法109条)。
3 正しい。
区域区分は、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に分ける制度である。区域区分を定めていない都市計画区域でも、地域地区・促進区域・都市施設・市街地開発事業に関する都市計画を定めることができる。
4 正しい。
用途地域が定められていない区域でも、無秩序な建築や敷地造成によって、不良な街区の環境が形成されるおそれがある一定の土地の区域には、地区計画を定めることができる。本肢の区域は、この要件に該当する(都市計画法12条の5第1項2号ロ)。
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、この問において条例による特別の定めはないものとし、「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
1 開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
2 開発許可を受けた開発行為により、従前の公共施設に代えて新たな公共施設が設置されることとなる場合においては、従前の公共施設の用に供していた土地で国又は地方公共団体が所有するものは、工事完了の公告の日の翌日において当該開発許可を受けた者に帰属するものとする。
3 開発許可を受けた開発区域内においては、工事完了の公告があった後は、原則として、建築物を改築し、又はその用途を変更して当該開発許可に係る予定の建築物以外の建築物としてはならない。
4 開発許可を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権を取得した者は、都道府県知事の承認の有無にかかわらず、当該開発許可を受けた者が有していた当該開発許可に基づく地位を承継することができる。
正解:4
1 正しい。
開発許可を受けた者が、開発行為に関する工事を廃止した場合、遅滞なく都道府県知事に届け出なければならない。工事を廃止するために、改めて許可を受ける必要はない。
2 正しい。
従前の公共施設に代わる新たな公共施設が設置される場合、国又は地方公共団体が所有する従前の公共施設用地は、工事完了の公告の日の翌日に、開発許可を受けた者に帰属する。一方、代わりに設置された公共施設の用地は、同日に国又はその地方公共団体に帰属する。
3 正しい。
開発許可を受けた区域では、工事完了の公告後も、原則として予定建築物以外の建築物にする改築や用途変更はできない。工事が完了しても、許可された建築物の用途等に関する制限は続く。
4 誤り。
開発許可を受けた者から開発区域内の土地の所有権を取得した者が、開発許可に基づく地位を承継するには、都道府県知事の承認が必要である。土地の所有権を取得しただけで、自動的にその地位を承継するわけではない。
建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 地方公共団体は、その地方の気候の特殊性により、建築基準法の規定又はこれに基づく命令の規定のみによっては建築物の安全、防火又は衛生の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を付加することができる。
2 建築主は、5階建ての共同住宅を新築する場合において、特定行政庁が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたときは、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該共同住宅を使用させることができる。
3 共同住宅の住戸には、非常用の照明装置を設けなくてもよい。
4 特定行政庁は、2階建ての住宅の所有者に対して、当該住宅が建築基準法の規定に違反していない場合であっても、老朽化により、そのまま放置すれば著しく保安上危険となるおそれがあると認める場合においては、相当の猶予期限を付けて、当該住宅を除却するよう勧告することができる。
正解:4
1 正しい。
地方公共団体は、その地方の気候の特殊性により、建築基準法等の規定だけでは建築物の安全・防火・衛生の目的を十分に達成できない場合、条例で必要な制限を付加できる。対象となるのは、建築物の敷地、構造又は建築設備である。
2 正しい。
5階建ての共同住宅は、原則として検査済証の交付を受けるまで使用できない。ただし、特定行政庁が安全上・防火上・避難上支障がないと認めた場合は、交付前でも仮に使用できる。
3 正しい。
共同住宅の住戸には、非常用の照明装置を設ける義務はない。共同住宅であっても、住戸内は設置義務の対象から除かれている。
4 誤り。
老朽化した建築物について、放置すれば著しく保安上危険となるおそれがあることを理由とする勧告は、一定の特殊建築物等を対象としている。通常の2階建て住宅は対象とならないため、本問の除却の勧告はできない。
次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
1 法第55条第1項の規定により、第一種住居地域内においては、建築物の高さは、10m又は12mのうち当該地域に関する都市計画に定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。
2 特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、都道府県知事の承認を得て、条例で、法第48条第1項から第13項までの規定による用途の制限を緩和することができる。
3 住宅、老人ホーム、図書館は工業専用地域内には建築することができないが、診療所、寺院は工業専用地域内を含めすべての用途地域内において建築することができる。
4 高度利用地区内において、建築物の敷地面積は、用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、当該最低限度以上でなければならない。公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で公益上必要なものの敷地についても同様である。
正解:3
1 誤り。
建築基準法55条1項による10mまたは12mの高さ制限が適用されるのは、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域および田園住居地域である。第一種住居地域は対象ではないため、同項による高さ制限は適用されない。
2 誤り。
特別用途地区では、その地区の指定の目的のために必要と認める場合、地方公共団体は、国土交通大臣の承認を得て、条例で用途地域による用途制限を緩和することができる。承認を得る相手は、都道府県知事ではなく国土交通大臣である(建築基準法49条2項)。
3 正しい。
用途地域による用途制限上、住宅・老人ホーム・図書館は、工業専用地域内では原則として建築できない。一方、診療所や寺院は、工業専用地域を含むすべての用途地域で建築できる。なお、診療所と病院は扱いが異なり、病院は工業地域および工業専用地域では原則として建築できない。
4 誤り。
高度利用地区内では、都市計画で建築物の敷地面積の最低限度が定められている場合、原則として、その最低限度以上の敷地面積が必要となる。ただし、公衆便所や巡査派出所などの公益上必要な建築物の敷地には、この制限は適用されない。したがって、これらにも同様の制限が及ぶとする点が誤りである(建築基準法53条の2第1項)。
宅地造成及び特定盛土等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市及び中核市にあってはその長をいうものとし、地方自治法に基づく施行時特例市に係る経過措置については考慮しないものとする。
1 都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事の許可をするときは、あらかじめ、宅地造成等に関する工事の施行に係る土地の周辺地域の住民に対し、説明会の開催その他の当該宅地造成等に関する工事の内容を周知させるため必要な措置を講じなければならない。
2 宅地造成等工事規制区域内において、森林を宅地にするために行う切土であって、高さ3mのがけを生ずることとなるものに関する工事を行う場合には、工事主は、都市計画法第29条第1項又は第2項の許可を受けて行われる当該許可の内容に適合した工事を除き、工事に着手する前に、都道府県知事の許可を受けなければならない。
3 宅地造成等工事規制区域内において、雨水その他の地表水又は地下水を排除するための排水施設の除却工事を行おうとする場合は、一定の場合を除き、都道府県知事への届出が必要となる。
4 都道府県知事は、緊急に災害防止措置を講ずる必要がある場合において、その土地の所有者、管理者、占有者、工事主、工事施行者又は現場管理者に対して、災害防止措置を講ずべきことを命ずるいとまがないときに該当すると認めるときは、自ら災害防止措置の全部又は一部を講ずることができる。
正解:1
1 誤り。
許可申請に先立ち、周辺住民に工事内容を周知する義務を負うのは、都道府県知事ではなく工事主である。工事主は、説明会の開催などにより、あらかじめ周知のために必要な措置を講じなければならない。
2 正しい。
森林を宅地にするために切土を行い、高さが2mを超える崖が生じる場合、原則として着手前に都道府県知事の許可が必要となる。本問では高さ3mの崖が生じるため、許可が必要である。ただし、都市計画法の開発許可を受け、その内容に適合して行う工事については、別途許可を受ける必要はない。
3 正しい。
宅地造成等工事規制区域内で排水施設の全部又は一部を除却する場合、原則として工事着手日の14日前までに都道府県知事への届出が必要である。ただし、宅地造成等の許可を受けた工事の一部として行う場合などは、届出を要しない。
4 正しい。
緊急に災害防止措置を講じる必要があり、措置を命じる時間的な余裕がない場合、都道府県知事は、自らその全部又は一部を実施できる。
土地区画整理法(以下この問において「法」という。)の規定による土地区画整理事業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 公立の小学校の用に供される土地は、法における宅地に該当する。
2 土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業に係る施行地区内の宅地について所有権若しくは借地権を有し、又は当該宅地に存する建築物について賃借権を有する者は、全てその土地区画整理組合の組合員となる。
3 市が法第3条第4項の規定により施行する土地区画整理事業について、事業計画の決定の公告があった日以後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、当該市の長の許可を受けなければならない。
4 都道府県が法第3条第4項の規定により施行する土地区画整理事業において、当該土地区画整理事業に関係のある土地に定着する物件について権利を有する者は、縦覧に供された換地計画について意見がある場合においては、2週間の縦覧期間内に、当該都道府県に意見書を提出することができる。
正解:2
1 正しい。
土地区画整理法の宅地とは、道路・公園・河川などの公共施設の用に供されている国又は地方公共団体所有の土地以外の土地をいう。公立小学校の敷地は、ここでいう公共施設用地には当たらないため、宅地に含まれる。
2 誤り。
土地区画整理組合の組合員となるのは、施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者である。建物を借りているだけの者は、組合員にはならない。
3 正しい。
市が施行する土地区画整理事業では、事業計画の決定の公告があった日後、換地処分の公告がある日まで、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更には、その市の市長の許可が必要となる。
4 正しい。
換地計画は2週間の縦覧に供され、利害関係者は、その縦覧期間内に施行者へ意見書を提出できる。本問では都道府県が施行者であるため、その都道府県に提出する。
個人が所有する農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
1 市街化区域外にある農地について、個人が金融機関から融資を受けるために抵当権を設定する場合、法第5条第1項の許可を受ける必要がある。
2 市街化区域外にある農地について、宅地にするために個人に売り渡す場合、法第5条第1項の許可を受ける必要はない。
3 市街化調整区域内にある農地について、宅地にするために個人に売り渡す場合、あらかじめ農業委員会に届出を行えば、法第5条第1項の許可を受ける必要はない。
4 市街化区域外にある農地について、住宅の建設等を行うために個人に売り渡す場合、買主に住宅の建設等を行うために必要な資力がなければ、法第5条第1項の許可を受けることはできない。
正解:4
1 誤り。
抵当権の設定は、農地の所有権の移転や使用・収益を目的とする権利の設定に当たらない。したがって、農地へ抵当権を設定するだけであれば、農地法5条1項の許可は不要である。
2 誤り。
農地を宅地にする目的で売り渡す場合は、転用のための権利移転に当たり、原則として農地法5条1項の許可が必要となる。市街化区域外にある農地も、この許可の対象となる。
3 誤り。
あらかじめ農業委員会に届け出ることで転用の許可が不要となるのは、市街化区域内の農地である。市街化調整区域内の農地を宅地にする目的で売り渡す場合は、原則として農地法5条1項の許可が必要となる。
4 正しい。
農地の転用許可では、買主に転用事業を行うために必要な資力・信用があることが求められる。したがって、住宅の建設に必要な資力がない場合は、農地法5条1項の許可を受けることができない。
国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 市街化区域内においてA県が所有する3,700㎡の土地について、個人Bを買主とする売買契約を締結した場合、Bは事後届出を行う必要はない。
2 市街化調整区域内に所在し、個人Cが所有する一団の土地である甲土地(4,300㎡)と乙土地(2,800㎡)を購入する契約を締結した個人Dは、事後届出を行う必要はない。
3 都市計画区域外において個人Eが所有する15,000㎡の土地について、個人Fが抵当権の設定を受ける契約を締結した場合、Fは事後届出を行う必要はない。
4 都市計画区域外に所在する農地法第3条第1項の許可を受けた面積12,000㎡の農地を購入した個人Gは、事後届出を行う必要はない。
正解:2
1 正しい。
国や地方公共団体などが契約当事者となる土地取引には、事後届出の規定は適用されない。本問では、売主A県が地方公共団体に当たるため、市街化区域内の土地が届出対象面積の2,000㎡以上であっても、買主Bによる事後届出は不要である。
2 誤り。
市街化調整区域では、5,000㎡以上の土地取引が事後届出の対象となる。また、一団の土地を取得する場合、個々の土地ではなく、取得する一団の土地の合計面積で判断する。本問では、甲土地4,300㎡と乙土地2,800㎡の合計が7,100㎡となるため、買主Dは事後届出を行わなければならない。
3 正しい。
事後届出の対象となるのは、土地の所有権・地上権・賃借権などの移転または設定を伴う土地売買等の契約であり、抵当権の設定は含まれない。したがって、都市計画区域外の土地が届出対象面積の10,000㎡以上であっても、抵当権の設定を受けるFによる事後届出は不要である。
4 正しい。
農地法3条1項の許可を受けることを要する土地取引は、事後届出の対象から除外される。したがって、Gが同項の許可を受けて農地を購入した場合、都市計画区域外の土地が10,000㎡以上であっても、事後届出は不要である。なお、農地法5条1項の許可を受ける取引は、この理由では届出不要とならない。
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例の適用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 受贈者について、住宅取得等資金の贈与を受けた年分の所得税法に定める合計所得金額が3,000万円を超える場合でも、この特例の適用を受けることができる。
2 受贈者が住宅取得等資金の贈与を受けた年の1月1日において18歳以上でなければ、この特例の適用を受けることができない。
3 日本国外に住宅用の家屋を新築した場合でも、この特例の適用を受けることができる。
4 直系尊属から住宅用の家屋の贈与を受けた場合でも、この特例の適用を受けることができる。
正解:2
1 誤り。
この特例の適用を受けるには、贈与を受けた年の合計所得金額が原則として2,000万円以下でなければならない。したがって、3,000万円を超える場合は適用を受けられない。なお、新築等をする住宅の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は、合計所得金額が1,000万円以下であることが必要となる。
2 正しい。
受贈者は、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上でなければならない。年齢の判定基準は贈与を受けた日ではないため、その年の途中で18歳になった場合も、この特例の適用を受けられない。
3 誤り。
この特例の対象となる住宅用の家屋は、日本国内にあるものに限られる。したがって、日本国外に住宅用の家屋を新築するための資金の贈与を受けても、この特例の適用を受けられない。
4 誤り。
この特例は、父母や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築・取得・増改築等の対価に充てるための金銭の贈与を受けた場合に適用される。したがって、住宅用の家屋そのものの贈与を受けた場合は、この特例の対象とならない。
不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 家屋が新築された日から2年を経過して、なお、当該家屋について最初の使用又は譲渡が行われない場合には、当該家屋が新築された日から2年を経過した日において家屋の取得があったものとみなし、当該家屋の所有者を取得者とみなして、これに対して不動産取得税を課する。
2 不動産取得税は、目的税である。
3 相続による不動産の取得については、不動産取得税は課されない。
4 不動産取得税の納期は、4月、7月、12月及び2月中において、当該市町村の条例で定めることとされているが、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることもできる。
正解:3
1 誤り。
新築された家屋について、最初の使用も譲渡も行われない場合、原則として新築の日から6か月を経過した日に取得があったものとみなし、所有者に不動産取得税を課す。2年を経過した日ではない。
2 誤り。
不動産取得税は、使い道が特定されていない普通税である。特定の事業の費用に充てるために課される目的税ではない。
3 正しい。
相続によって不動産を取得した場合、不動産取得税は課されない。不動産の取得であっても、相続による取得は非課税とされている。
4 誤り。
不動産取得税の納期は、その不動産が所在する都道府県の条例で定める。本問の4月・7月・12月・2月を原則とする納期は、固定資産税に関する規定である。
地価公示法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 地価公示法は、都市及びその周辺の地域等において、標準地を選定し、その正常な価格を公示することにより、一般の土地の取引価格に対して指標を与え、及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与することを目的としている。
2 正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合において通常成立すると認められる価格をいい、当該土地に地上権その他当該土地の使用又は収益を制限する権利が存する場合には、これらの権利が存するものとして通常成立すると認められる価格をいう。
3 都市及びその周辺の地域等において、土地の取引を行う者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を指標として取引を行うよう努めなければならない。
4 標準地は、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について選定するものとする。
正解:2
1 正しい。
地価公示法は、標準地の正常な価格を公示し、一般の土地取引の指標や公共事業用地の適正な補償金の算定などに役立てることで、適正な地価の形成に寄与することを目的としている。
2 誤り。
正常な価格は、自由な取引で通常成立すると認められる土地の価格である。地上権など、土地の使用・収益を制限する権利がある場合は、その権利が存在しないものとして判定する。
3 正しい。
土地の取引を行う者は、取引対象の土地と類似する利用価値を持つ標準地の公示価格を、取引の指標とするよう努めなければならない。これは努力義務であり、公示価格と同じ価格で取引する義務ではない。
4 正しい。
標準地は、自然的・社会的条件からみて類似する利用価値を持つ地域の中から選定する。その地域で土地の利用状況や環境などが通常と認められる、一団の土地を選ぶ。
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
1 既に売却済みの物件を、インターネットで広告掲載を続けて顧客を集め、来店した顧客に他の物件を案内して勧めた場合、実際には取引が成立しなかった場合でも監督処分の対象となる。
2 駅まで実際の道のりで4kmある宅地を販売するに当たり、「駅まで1kmの好立地」と広告に表示したとしても、実際に駅まで直線距離で1kmであれば、法第32条に規定する誇大広告等の禁止に違反するとはいえない。
3 工事完了前の建物について、建築基準法第6条第1項前段の規定に基づく確認を受ける前は、当該確認を申請中であることを広告中に明示しない限り、貸借の媒介に関する広告をすることができない。
4 宅地又は建物に係る広告の表示項目の中に、取引物件に係る現在又は将来の利用の制限があるが、この制限には、都市計画法に基づく利用制限等の公法上の制限は含まれるが、借地権の有無等の私法上の制限は含まれない。
正解:1
1 正しい。
売却済みで取引できない物件を広告し、顧客を集める行為は、おとり広告として禁止されている。インターネット広告も対象となり、実際に取引が成立しなかった場合でも監督処分の対象となる(宅建業法32条、65条)。
2 誤り。
駅までの道路距離が4kmあるのに、直線距離を使って「駅まで1kmの好立地」と表示すると、交通の利便性が実際より著しく優れていると誤認させることになる。したがって、直線距離が1kmであっても、誇大広告等の禁止に違反する(宅建業法32条)。
3 誤り。
未完成の建物は、必要な建築確認を受けた後でなければ、貸借の媒介に関する広告もできない。「建築確認申請中」と表示しても、確認を受ける前に広告することは認められない(宅建業法33条)。
4 誤り。
誇大広告等の規制対象となる「現在又は将来の利用の制限」には、都市計画法などによる公法上の制限だけでなく、借地権や地上権の有無・内容などの私法上の制限も含まれる(宅建業法32条)。
次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、自ら売主となる乙県内に所在する中古住宅の売買の業務に関し、乙県内で売買契約を締結し、手付金等の保全措置を講ずることなく、代金の10分の1を超える額の手付金を受領した。この場合、乙県知事は、Aに対し法に基づき、1年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
イ 宅地建物取引業者B(甲県知事免許)は、法第72条第1項の規定に基づき、甲県知事から業務について、必要な報告を求められたが、これに応じなかった。この場合Bは50万円以下の罰金に処せられることがある。
ウ 甲県知事の宅地建物取引士資格登録を受けている宅地建物取引士Cは、乙県内の業務に関し、他人に自己の名義の使用を許し、当該他人がその名義を使用して宅地建物取引士である旨の表示をした場合、乙県知事はCに対し法に基づき必要な指示や宅地建物取引士として行う事務の禁止の処分をすることができる。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
正解:3
ア 正しい。
宅建業者が自ら売主となる完成物件の売買では、原則として、代金の10%または1,000万円を超える手付金等を受領する前に、保全措置を講じなければならない。Aがこの義務に違反した場合、業務を行った場所を管轄する乙県知事も、1年以内の期間を定めて、業務の全部または一部の停止を命じることができる。業務停止処分を行えるのは、免許権者である甲県知事だけではない(宅建業法41条の2・65条4項)。
イ 正しい。
都道府県知事は、その区域内で宅建業を営む者に対し、業務について必要な報告を求めることができる。この報告をしなかった場合や虚偽の報告をした場合は、50万円以下の罰金の対象となる。したがって、甲県知事から適法に求められた報告をしなかったBは、罰金に処せられることがある(宅建業法72条1項・83条1項5号)。
ウ 正しい。
宅地建物取引士が他人に自己の名義の使用を許し、その者がその名義を用いて宅地建物取引士である旨を表示した場合、指示処分や事務禁止処分の対象となる。これらの処分は、登録先の知事だけでなく、違反行為が行われた場所を管轄する知事も行うことができる。したがって、乙県内で名義貸しをしたCに対し、乙県知事は必要な指示や、1年以内の事務禁止処分を行うことができる(宅建業法68条1項~4項)。
宅地建物取引士に関する次の記述について、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものの組合せは1から4のうちどれか。
ア 宅地建物取引士は、重要事項の説明をするときは説明の相手方からの請求の有無にかかわらず宅地建物取引士証を提示しなければならず、また、取引の関係者から請求があったときにも宅地建物取引士証を提示しなければならない。
イ 宅地建物取引士の登録を受けるには、宅地建物取引士資格試験に合格した者で、5年以上の実務の経験を有するもの又は国土交通大臣がその実務の経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものであり、法第18条第1項各号に掲げる事由に該当しないことが、必要である。
ウ 都道府県知事は、不正の手段によって宅地建物取引士資格試験を受けようとした者に対して、その試験を受けることを禁止することができ、また、その禁止処分を受けた者に対し3年を超えない期間を定めて受験を禁止することができる。
エ 宅地建物取引士資格試験に合格した者は、合格した日から10年以内に登録の申請をしなければ、その合格は無効となる。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、エ
4 ウ、エ
正解:3
ア 正しい。
宅建士は、重要事項説明を行う際、相手方から請求されなくても宅建士証を提示しなければならない。また、重要事項説明以外でも、取引の関係者から請求されたときは提示する必要がある(宅建業法35条4項、22条の4)。
イ 誤り。
宅建士の登録に必要な実務経験は、5年以上ではなく2年以上である。試験に合格し、2年以上の実務経験を有するか、登録実務講習の修了などにより同等以上の能力があると認められ、かつ、登録の欠格事由に該当しないことが必要となる(宅建業法18条1項)。
ウ 正しい。
都道府県知事は、不正な手段で試験を受けた者や受けようとした者に対し、合格の取消しや受験の禁止をすることができる。また、その処分を受けた者に対しては、3年以内の期間を定めて受験を禁止することができる(宅建業法17条1項・3項)。
エ 誤り。
宅建士試験の合格に有効期限はなく、合格から10年が経過しても無効にはならない。登録要件を満たしていれば、合格後いつでも登録を申請できる(宅建業法18条1項)。
宅地建物取引業者Aが個人BからB所有の土地付建物の売却の依頼を受け、Bと媒介契約を締結した。媒介契約締結後にAがBに対して行う必要がある業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア AはBとの間で締結した媒介契約について、法第34条の2第1項に規定する書面を作成し、Bから口頭による承諾を取得した上で電磁的方法による提供を行った。
イ AはBと専任媒介契約を締結することにした。媒介契約の締結後、売却に関する情報を指定流通機構に登録したAは、Bからの要求の有無にかかわらず、指定流通機構から発行された登録を証する書面を遅滞なく引き渡す必要がある。
ウ AはBと一般媒介契約を締結することにした。媒介契約の締結後、Cから土地付建物の購入の申込みを受けたAは、Bからの業務処理の状況報告の依頼の有無にかかわらず、Cから申込みを受けた旨を遅滞なく報告する必要がある。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
正解:2
ア 誤り。
媒介契約書面を電磁的方法で提供するには、あらかじめ提供方法の種類・内容を示し、書面または電磁的方法で依頼者の承諾を得る必要がある。したがって、Bから口頭で承諾を得ただけでは、電磁的方法による提供は認められない(宅建業法34条の2第11項、同法施行令2条の6第1項)。
イ 正しい。
専任媒介契約に基づいて指定流通機構へ登録した場合、宅建業者は、登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければならない。したがって、Aは、売主Bから要求がなくても登録証を引き渡す必要がある(宅建業法34条の2第6項)。
ウ 正しい。
購入の申込みを受けたときは、媒介契約の種類を問わず、遅滞なくその旨を依頼者へ報告しなければならない。したがって、一般媒介契約でも、Aは、売主Bから報告を求められていなくても、Cから購入の申込みがあったことを報告する必要がある(宅建業法34条の2第8項)。
宅地建物取引業法の規定に基づく営業保証金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 国土交通大臣又は都道府県知事は、免許をした日から3か月以内に宅地建物取引業者が営業保証金を供託した旨の届出を行わない場合には催告をしなければならず、当該催告が到達した日から1か月以内に届出がされなければ免許を取り消すことができる。
2 宅地建物取引業者は、本店の移転によるその最寄りの供託所の変更に伴い新たに営業保証金を供託した場合において、従前の営業保証金を取り戻すときは、営業保証金の還付を請求する権利を有する者に対し、6か月以上の期間を定めて申し出るべき旨の公告をしなければならない。
3 宅地建物取引業者は、本店を移転し最寄りの供託所が変更した場合において、金銭のみをもって営業保証金を供託しているときは、遅滞なく、費用を予納して、従前の本店の最寄りの供託所に対し、営業保証金の保管替えを請求しなければならない。
4 新たに事務所を2か所増設するための営業保証金の供託を国債証券と地方債証券で充てる場合、地方債証券の額面が600万円のときは、国債証券の額面は460万円のものが必要となる。
正解:2
1 正しい。
免許権者は、免許をした日から3か月以内に営業保証金を供託した旨の届出がない場合、届出をするよう催告しなければならない。その催告が到達した日から1か月以内にも届出がなければ、免許を取り消すことができる。取消しは義務ではなく、任意である点に注意する(宅建業法25条6項・7項)。
2 誤り。
本店の移転により最寄りの供託所が変わり、新しい供託所に営業保証金を供託した場合、従前の営業保証金は公告をせずに取り戻すことができる。新しい供託所ですでに営業保証金が確保されているため、還付請求権者に申出を求める公告は不要である(宅建業法30条2項ただし書)。
3 正しい。
本店の移転によって最寄りの供託所が変わった場合、営業保証金を金銭のみで供託しているときは、遅滞なく、費用を予納して保管替えを請求しなければならない。請求先は、新しい供託所ではなく、現在その営業保証金を供託している従前の供託所である(宅建業法29条1項)。
4 正しい。
事務所を2か所増設する場合、追加で必要となる営業保証金は、500万円×2か所=1,000万円である。地方債証券は額面金額の90%で評価されるため、額面600万円の評価額は540万円となる。残りの460万円を、額面金額の100%で評価される国債証券で充てれば、必要額を満たす。
次の記述について、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものの組合せは1から4のうちどれか。
ア 宅地とは、現に建物の敷地に供されている土地に限らず、広く建物の敷地に供する目的で取引の対象とされた土地をいうものであり、その地目、現況の如何を問わない。
イ 都市計画法に規定する工業専用地域内の道路、公園、河川、広場及び水路以外の土地で、建築資材置場の用に供されているものは、宅地に該当する。
ウ 賃貸住宅の管理業者が、貸主から管理業務とあわせて入居者募集の依頼を受けて、貸借の媒介を反復継続して営む場合は、宅地建物取引業の免許を必要としない。
エ 宅地建物取引士とは、宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者をいう。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、エ
4 ウ、エ
正解:1
ア 正しい。
宅建業法上の宅地には、現在建物が建っている土地だけでなく、建物の敷地として使用する目的で取引される土地も含まれる。その判断に当たり、登記上の地目や現在の利用状況は問わない。したがって、現況が農地や山林であっても、建物の敷地とする目的で取引される土地は宅地に該当する(宅建業法2条1号)。
イ 正しい。
用途地域内の土地は、道路・公園・河川・広場・水路として使用されているものを除き、宅建業法上の宅地に該当する。工業専用地域も用途地域の一つであるため、その区域内にある建築資材置場の土地も宅地に含まれる(宅建業法2条1号、同法施行令1条)。
ウ 誤り。
賃貸住宅の維持管理だけを行う場合、宅建業の免許は不要である。しかし、貸主と入居希望者との間に入り、建物の貸借の媒介を反復継続して業として行う場合は、免許が必要となる。管理業務とあわせて依頼された場合でも、貸借の媒介が免許不要になるわけではない(宅建業法2条2号・3条1項)。
エ 誤り。
宅建業法上の宅地建物取引士とは、宅地建物取引士証の交付を受けた者をいう。試験に合格して都道府県知事の登録を受けただけでは足りず、宅地建物取引士証の交付まで受ける必要がある(宅建業法2条4号)。
宅地建物取引業者は犯罪による収益の移転防止に関する法律第2条第2項の特定事業者に該当するが、宅地建物取引業者Aの行為に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Aは、宅地の売買や貸借を行うに際して、顧客の属性や取引時の状況等の情報を総合的に勘案して、本人性の疑義や犯罪収益の移転等の疑いが生じた取引に関しては、速やかに、所定の事項を行政庁に届け出る義務が発生する。
2 Aは、宅地の売買を行うに際して、相手方である買主が宅地を購入することを急ぎ、市場価格を大きく上回る価格でもいとわない姿勢を示したことにより、資金が犯罪による収益である疑いがあると判断し、速やかに、所定の事項を行政庁に届け出た。この場合、届出後に当該契約を締結してはならない。
3 Aは、宅地の売買契約の相手方である買主が、取引の関係書類に自己の名前を書くことを拒んだため、本人性が疑わしく、資金が犯罪による収益である疑いがあると判断し、速やかに、所定の事項を行政庁に届け出た。この場合、届出をしたことを相手方に伝えてもよい。
4 Aは、宅地の売買を行うに際して、当該売買契約の相手方である買主が、決済方法について現金での取引に執拗にこだわる姿勢を示していたことにより、資金が犯罪による収益である疑いがあると判断したときは、売買契約締結後であっても、速やかに、所定の事項を行政庁に届け出る義務が発生する。
正解:4
1 誤り。
宅建業者の疑わしい取引の届出義務は、宅地・建物の売買や、その代理・媒介に係る業務が対象となる。貸借やその代理・媒介は対象に含まれないため、貸借についても届出義務が生じるとする点は誤りである。
2 誤り。
疑わしい取引の届出をしたことだけを理由に、その後の契約締結が禁止されるわけではない。したがって、届出後は契約を締結してはならないとする点は誤りである。
3 誤り。
疑わしい取引の届出をしたことや、届出をしようとしていることを、顧客やその関係者に漏らしてはならない。したがって、Aは買主に届出の事実を伝えることはできない(犯罪収益移転防止法8条3項)。
4 正しい。
疑わしい取引の届出義務は、売買契約の締結後に疑いが生じた場合にも発生する。したがって、Aは契約締結後であっても、犯罪による収益である疑いがあると判断したときは、速やかに所定の事項を行政庁へ届け出なければならない(犯罪収益移転防止法8条1項)。
専任の宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において「宅地建物取引士」は成年者であるものとする。
ア 宅地建物取引士は、宅地建物取引業者の通常の勤務時間を勤務する状態でなくとも専任の宅地建物取引士となることができる。
イ 宅地建物取引士は、同一の宅地建物取引業者の複数の事務所において、専任の宅地建物取引士を務めることができる。
ウ 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業を営む事務所ごとに、業務に従事する者5名につき1名以上、宅地建物取引士を配置しなければならないが、専任の宅地建物取引士である必要はない。
エ 重要事項説明書の記名及び法第37条の規定に基づく書面の記名については、専任の宅地建物取引士でなければ行ってはならない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
正解:4
ア 誤り。
専任の宅地建物取引士には、原則として、宅建業者の通常の勤務時間に勤務する常勤性が求められる。したがって、通常の勤務時間のうち、一部の時間帯しか勤務しない者は、原則として専任の宅地建物取引士にはなれない。なお、ITを活用して適切に業務を行える体制があれば、事務所以外で勤務することは認められる。
イ 誤り。
専任の宅地建物取引士は、原則として、その所属する事務所の業務に専ら従事する必要がある。同じ宅建業者の事務所であっても、複数の事務所の専任の宅地建物取引士を兼ねることはできない。
ウ 誤り。
宅建業者は、事務所ごとに、宅建業に従事する者の数に対する割合が5分の1以上となる数の、成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。単に宅地建物取引士を配置すればよいのではなく、専任であることが必要となる。例えば、従事者が6人なら、専任の宅地建物取引士は2人以上必要である。
エ 誤り。
重要事項説明書と37条書面には、宅地建物取引士の記名が必要であるが、その者が専任である必要はない。したがって、専任ではない宅地建物取引士も、これらの書面に記名することができる。
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明及び重要事項説明書に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、説明の相手方は、宅地建物取引業者ではないものとする。
1 区分所有権の目的である建物の貸借の媒介を行う場合、その専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めの案があるときはその内容を説明する必要がある。
2 宅地建物取引士は、相手方の承諾を得て重要事項説明書を電磁的方法で提供し、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、宅地建物取引士証の提示を省略することができる。
3 宅地建物取引業者が自ら売主である宅地の売買契約締結の日よりも前に売買代金の一部として売主が50万円の預り金を受領しようとする場合、重要事項説明書に、保全措置を講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合はその概要を記載しなければならない。
4 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として買主Bに対し建物の売却を行う場合における重要事項の説明について、Aは、Bに対し、代金以外に授受される金銭の額だけでなく、当該金銭の授受の目的についても説明しなければならない。
正解:2
1 正しい。
区分所有建物の貸借を媒介する場合、専有部分の用途その他の利用制限に関する規約があれば、その内容を説明しなければならない。規約がまだ案の段階であっても、説明の対象となる(宅建業法35条1項6号)。
2 誤り。
IT重説でも、宅建士証の提示を省略することはできない。宅建士は画面越しに宅建士証を提示し、相手方がその内容を確認できたことを確かめたうえで、説明を行う必要がある(宅建業法35条4項)。
3 正しい。
契約前に受領する50万円の預り金は、支払金・預り金の保全措置に関する説明の対象となる。したがって、保全措置を講じるかどうか、講じる場合はその概要を重要事項説明書に記載して説明しなければならない。説明の対象から除かれるのは、受領額が50万円未満の場合であり、50万円ちょうどは含まれない(宅建業法35条1項11号、同法施行規則16条の3)。
4 正しい。
代金以外に授受される金銭がある場合は、その額と授受の目的を重要事項として説明しなければならない。したがって、売主である宅建業者Aは、買主Bに対し、その金銭が何のために支払われるものかも説明する必要がある(宅建業法35条1項7号)。
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は売主BからB所有の宅地の売却の依頼を受け、Bと媒介契約を締結した。Aは媒介活動の結果、買主Cを見つけ、Cとの間でも媒介契約を締結の上でBC間の売買契約を成約させた。Aが受領する媒介報酬額に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 宅地の代金が700万円であり、Aは、売主Bとの媒介契約の締結に際しあらかじめBに説明し合意した上で低廉な空家等の売買又は交換の媒介における特例に基づく媒介報酬額を、Bから受領できる。
イ 宅地の代金が400万円であり、Aは売主B及び買主C双方との媒介契約の締結に際しあらかじめB及びCに説明し合意した上で、低廉な空家等の売買又は交換の媒介における特例に基づく媒介報酬額を、売主B及び買主C双方から受領できる。
ウ 宅地の代金が200万円であり、低廉な空家等の売買又は交換の媒介における特例にあてはまると判断したAは、売主Bとの媒介契約の締結に際しあらかじめBに説明し合意した上で、媒介報酬額としてBから33万円を受領できる。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
正解:3
ア 正しい。
低廉な空家等の報酬の特例は、消費税を含まない代金が800万円以下の宅地・建物に適用でき、空き家かどうかは問わない。代金700万円の本問では、Aは媒介に要する費用を勘案し、媒介契約の締結に際してあらかじめ報酬額を説明し合意を得ていれば、売主Bから特例による報酬を受領できる。
イ 正しい。
低廉な空家等の報酬の特例は、売主だけでなく買主から受ける報酬にも適用できる。したがって、Aは売主B・買主Cのそれぞれに、媒介契約の締結に際してあらかじめ報酬額を説明し合意を得ていれば、双方からそれぞれ33万円(税込)を上限として受領できる。
ウ 正しい。
代金200万円の場合、通常の媒介報酬の上限は、200万円×5%×1.1=11万円(税込)である。ただし、低廉な空家等の特例を適用すれば、33万円(税込)が上限となる。Aは媒介に要する費用を勘案し、媒介契約の締結に際してあらかじめ報酬額を説明し合意を得ていれば、売主Bから33万円を受領できる。
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述について、正しいものの組合せは1から4のうちどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
ア 建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律第12条第1項により指定された歴史的風致形成建造物であるときは、同法第15条第1項及び第2項に関する事項の概要を説明しなければならない。
イ 建物の売買の媒介を行う場合、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容について、説明しなければならない。
ウ 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が宅地造成及び特定盛土等規制法の規定により指定された造成宅地防災区域内にあるときは、その旨を借主に説明しなくてもよい。
エ 建物の貸借の媒介を行う場合、台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況について、借主に説明しなければならない。
1 ア、イ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 ウ、エ
正解:2
ア 正しい。
歴史的風致形成建造物の売買を媒介する宅建業者は、歴史まちづくり法15条1項・2項による制限の概要を重要事項として説明しなければならない(宅建業法35条1項2号)。
イ 誤り。
天災その他の不可抗力による損害の負担に関する定めは、定めがある場合に37条書面へ記載する事項であり、重要事項説明の対象ではない。したがって、売買契約にこの定めがあっても、重要事項として説明する義務はない(宅建業法37条1項10号)。
ウ 誤り。
建物が造成宅地防災区域内にある旨は、売買だけでなく貸借でも重要事項説明の対象となる。したがって、建物の貸借を媒介する宅建業者は、借主にその旨を説明しなければならない(宅建業法35条1項14号、同法施行規則16条の4の3)。
エ 正しい。
建物の貸借では、台所・浴室・便所などの設備の整備状況は、重要事項説明の対象となる。したがって、建物の貸借を媒介する宅建業者は、これらの設備の有無や整備状況を借主に説明しなければならない(宅建業法35条1項14号、同法施行規則16条の4の3)。
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は貸主BからB所有の土地付建物(戸建住宅)の賃貸に係る媒介の依頼を受け、Bと媒介契約を締結した。Aは媒介活動の結果、借主Cを見つけ、Cとの間でも媒介契約を締結の上でBC間の賃貸借契約を成約させた。なお、1か月の借賃は15万円(消費税等相当額を含まない。)である。Aが受領する媒介報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア Aは、Cから媒介の依頼を受けるに当たり、Cの承諾を得ることなくCから媒介報酬として16万5,000円を受領できる。
イ AはBから大手新聞社発行新聞への広告掲載を行ってほしいと依頼があり、その費用の負担につき事前にBの承諾があったため、Bから媒介報酬とは別に広告の料金に相当する額を受領できる。
ウ B所有の土地付建物は少なくとも1年以上は居住者が不在であり、利用される見込みがない状況となっていたため、Aは、長期の空家等の賃貸の媒介における特例に基づき、B及びCに説明及び承諾を取得した上で、Cから媒介報酬として33万円を受領できる。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
正解:1
ア 誤り。
居住用建物の貸借を媒介する場合、依頼を受ける際に承諾を得ていなければ、一方の依頼者から受領できる報酬は、賃料1か月分の0.55倍が上限となる。したがって、借主Cの承諾がない本問では、15万円×0.55=8万2,500円までであり、16万5,000円は受領できない。
イ 正しい。
依頼者の特別な依頼によって行う広告の料金は、費用負担について事前の承諾を得ていれば、媒介報酬とは別に受領できる。本問では、貸主Bから大手新聞への広告掲載を依頼され、費用負担についても事前に承諾を得ているため、AはBから広告料金に相当する額を別途受領できる。
ウ 誤り。
長期の空家等の貸借の特例でも、借主から受領できる報酬の上限は引き上げられない。借主Cの承諾を得ていても、15万円×1.1=16万5,000円が上限となるため、Cから33万円を受領することはできない。特例による上乗せ分を負担するのは、貸主Bである。
建物の売主Aと買主B(いずれも宅地建物取引業者ではない。)の媒介を行った宅地建物取引業者Cが、両当事者に交付した宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定に基づく書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、法に違反するものはどれか。
1 37条書面には、Cの従業者である宅地建物取引士の記名がされていたが、両当事者に対する交付及び内容説明は、宅地建物取引士の資格を有しない別の従業者が実施した。
2 当該契約の対象物件は中古住宅であるが、法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査を実施しておらず、両当事者で確認した欠陥等もなかったため、Cは「建物の構造耐力上主要な部分の状況について売主及び買主の双方が確認をした事項」について、37条書面に何も記載しなかった。
3 Bは、契約締結後、売買代金の3割に相当する額の手付金をAに支払い、残代金については金融機関の融資を受けることとしたが、契約の中に融資が受けられなかった場合の解除に関する特約がなく、Cは37条書面にこの点について何も記載しなかった。
4 当該契約の対象物件は区分所有建物である中古マンションの一室であり、共用部分に関する規約が作成されていたが、Cはこの内容について37条書面に何も記載しなかった。
正解:2
1 違反しない。
37条書面には宅地建物取引士の記名が必要であるが、その交付や内容の説明を宅地建物取引士が行う義務はない。したがって、宅地建物取引士の資格を持たない従業者が交付・説明を行っても、宅建業法に違反しない。
2 違反する。
既存建物の売買では、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について、当事者双方が確認した事項を37条書面に記載しなければならない。確認した事項がない場合も、その旨を記載する必要がある。したがって、建物状況調査を実施しておらず、双方が確認した事項もないことを理由に、何も記載しなかったCは、宅建業法に違反する。
3 違反しない。
契約の解除に関する事項は、定めがある場合に37条書面への記載が必要となる。本問では、融資を受けられなかった場合の解除に関する特約がないため、この点を記載する必要はない。また、売主Aは宅建業者ではないため、宅建業者が自ら売主となる場合の手付額の制限は適用されず、代金の3割の手付金を受領しても、この制限には違反しない。
4 違反しない。
区分所有建物の共用部分に関する規約の定めは、重要事項説明の対象であるが、37条書面の記載事項ではない。したがって、Cがその内容を37条書面に記載しなくても、宅建業法に違反しない。
宅地建物取引業者の業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 宅地建物取引業者は、法第37条に規定する書面を交付するに当たり、宅地建物取引士をして、その書面に記名の上、その内容を説明させなければならない。
イ 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
ウ 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備えなければならないが、退職した従業者に関する事項は従業者名簿への記載の対象ではない。
エ 宅地建物取引業者は、建物の売買の媒介を行う場合において、代金に関する金銭の貸借のあっせんの内容及び当該あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置について、重要事項説明書に記載し宅地建物取引士をして説明させる必要はない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
正解:1
ア 誤り。
37条書面には宅地建物取引士の記名が必要だが、その内容を説明する義務はない。重要事項説明書とは異なり、宅地建物取引士による説明までは求められていない。
イ 正しい。
宅地建物取引業者は、事務所ごとに、公衆の見やすい場所に報酬額を掲示しなければならない。掲示するのは、国土交通大臣が定めた報酬の額である。
ウ 誤り。
従業者名簿には、従業者でなくなった年月日も記載する必要がある。退職したからといって記録を削除するのではなく、名簿は最終の記載をした日から10年間保存しなければならない。
エ 誤り。
代金に関する金銭の貸借のあっせん内容と、その貸借が成立しないときの措置は、売買の重要事項説明の対象である。そのため、重要事項説明書に記載し、宅地建物取引士に説明させなければならない。
宅地建物取引業者が行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。なお、この問において「37条書面」とは、法第37条の規定に基づく書面をいうものとする。
ア 宅地建物取引業者Aは、自ら売主となる宅地の売買契約において、手付金等を受領したにもかかわらず、37条書面に手付金等の保全措置の内容を記載しなかったことは法に違反しない。
イ 区分所有建物の売主である宅地建物取引業者Bは、宅地建物取引業者Cが買主となる売買契約を締結したが、宅地建物取引業者間の取引であるため、37条書面を交付しなくても、法第78条第2項の規定の適用があり法に違反しない。
ウ 宅地建物取引業者Dは、建物の賃貸借契約の媒介業務において、重要事項説明書について、当該契約の借主の承諾を得たうえで電磁的方法により提供した場合、37条書面について、当該契約の借主の承諾を得ないで電磁的方法により提供しても法に違反しない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
正解:2
ア 正しい。
手付金等の保全措置の概要は、重要事項説明の対象であり、37条書面の記載事項ではない。したがって、売主Aが37条書面に保全措置の内容を記載しなくても、そのことを理由に法違反とはならない。
イ 誤り。
宅地建物取引業者間の取引でも、37条書面の交付義務は免除されない。したがって、売主Bは、買主Cに37条書面を交付しなければならない。
ウ 誤り。
37条書面を電磁的方法で提供するには、その提供について、あらかじめ借主の承諾を得る必要がある。重要事項説明書の電磁的提供について承諾を得ていても、それだけで37条書面を電磁的方法で提供できるわけではない。
法人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が行う届出に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Aが株主総会の決議により解散することとなった場合、Aを代表する役員であったBは、その旨を当該解散の日から2週間以内に甲県知事に届け出なければならない。
2 Aが乙県内に所在するマンション(100戸)について甲県内に案内所を設置して、売買契約を締結し、又は売買契約の申込みを受ける場合、Aは、業務を開始する日の10日前までに宅地建物取引業法第50条第2項の規定に基づく届出をしなければならないが、この届出は甲県知事にすれば足りる。
3 Aは、法人である宅地建物取引業者C(国土交通大臣免許)に吸収合併され、消滅した。この場合、Cを代表する役員Dは、当該合併の日から30日以内にAが消滅したことを国土交通大臣に届け出なければならない。
4 Aの取締役にいずれも宅地建物取引士ではないEとFが新たに就任した。Eが常勤、Fが非常勤である場合、AはEについてのみ役員の変更を甲県知事に届け出る必要がある。
正解:2
1 誤り。
法人が株主総会の決議により解散した場合は、清算人が、解散の日から30日以内に免許権者へ届け出なければならない。したがって、代表役員であったBが2週間以内に届け出るとする点は誤りである(宅建業法11条1項4号)。
2 正しい。
契約の締結や申込みの受付を行う案内所を設置する場合は、業務開始日の10日前までに、免許権者と案内所の所在地を管轄する都道府県知事へ届け出なければならない。本問では、いずれも甲県知事であるため、甲県知事への届出で足りる。販売するマンションが乙県にあっても、乙県知事への届出は不要である(宅建業法50条2項)。
3 誤り。
法人が合併により消滅した場合は、消滅した法人を代表する役員であった者が、合併の日から30日以内に、その法人の免許権者へ届け出なければならない。したがって、Aの代表役員であった者が甲県知事へ届け出る必要があり、存続法人Cの代表役員Dが国土交通大臣へ届け出るものではない(宅建業法11条1項2号)。
4 誤り。
法人の役員に変更があった場合は、常勤・非常勤や宅建士資格の有無にかかわらず、30日以内に免許権者へ届け出なければならない。したがって、Aは常勤取締役Eだけでなく、非常勤取締役Fの就任についても甲県知事へ届け出る必要がある(宅建業法9条)。
宅地建物取引業者ではないAが、宅地建物取引業者Bに対して、契約の解除の通知を発出したときに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、Bが法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフに応じなければならない場合はいくつあるか。
ア Aは、自宅を売却するため買主Bと売買契約を締結したが、代金の支払いを受ける前に、翻意し、契約締結日から8日目に、クーリング・オフにより解除する旨の書面を発出し、その翌日Bに到達した。
イ Aは、自らの申し出によって勤務先近隣の喫茶店でB所有の建物の買受けを申し込み、翌日Bの事務所に赴いてBが売主でAが買主となる売買契約を締結するとともにクーリング・オフについて告げる書面を交付され告げられたが、Aは代金の支払い前に、翻意し、契約締結日から8日目に、クーリング・オフにより解除する旨の書面を発出し、その翌日Bに到達した。
ウ Aは、訪問販売で来訪したBの営業担当者を自宅に入れ、紹介された建物の買受けを申し込んだところ、「法第37条の規定に基づく書面及びクーリング・オフについて告げる書面は、電子データで提供したい。」旨のBからの申し出を受け承諾し、Bが売主としてAが買主となる売買契約を締結するとともに当該電子データを受領したが、Aは代金の支払い前に、翻意し、契約締結日から10日目に、クーリング・オフにより解除する旨の書面を発出し、その翌日Bに到達した。
エ Aは、B所有の建物を内覧し、その場で買受けを申し込み、翌日Bの事務所においてBが売主でAが買主となる売買契約を締結するとともにクーリング・オフについて告げる書面を交付され告げられた。また、同日中にAからBに代金が全額支払われたため、Bも直ちに所有権移転登記手続を行い、契約締結から5日目に登記完了証を受領した。しかし、Aは建物の引渡しを受ける前に、翻意し、契約締結日から8日目に、クーリング・オフにより解除する旨の書面を発出し、その翌日Bに到達した。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
正解:3
ア 応じる必要はない。
宅建業法のクーリング・オフは、宅地建物取引業者が自ら売主となる売買に適用される。本問ではAが売主、宅地建物取引業者Bが買主であるため、適用されない。
イ 応じなければならない。
買主の申出によって事務所等として扱われるのは、買主の自宅又は勤務先であり、勤務先近くの喫茶店は含まれない。買受けの申込みをした場所で判断するため、翌日にBの事務所で契約しても対象となる。買主Aは告知書面を受け取った日から8日目に解除の書面を発しており、翌日に到達しても解除できる。
ウ 応じなければならない。
買主の自宅(又は勤務先)は、買主が自ら申し出た場合に限り事務所等として扱われる。本問では、訪問販売で来訪したBの営業担当者に対して申込みをしており、自宅を指定したのは買主Aではない。そのため、自宅は事務所等に当たらず、クーリング・オフの対象となる。
また、クーリング・オフの告知は所定の書面を交付して行う必要があり、買主が承諾しても電子データで代えることはできない。本問では書面による告知がなく8日間の期間が進行していないため、買主Aは契約締結日から10日目でも解除できる。ただし、告知を受けていなくても、物件の引渡しを受け、かつ代金を全部支払った場合は、クーリング・オフができなくなる(宅建業法37条の2第1項、同法施行規則16条の5)。
エ 応じなければならない。
内見した建物での買受けの申込みは、事務所等以外の場所での申込みに当たる。クーリング・オフができなくなるのは、物件の引渡しを受け、かつ代金を全部支払った場合である。本問では代金の全額支払と所有権移転登記が済んでいても、引渡し前であり、買主Aは告知書面を受け取った日から8日目に解除の書面を発しているため、解除できる。
以下は、宅地建物取引業法違反についての通報を受けた行政庁が宅地建物取引業者から聴取した内容である。次のア)〜エ)の宅地建物取引業者の主張について、宅地建物取引業法に違反するおそれのないものの組合せは1から4のうちどれか。
居住用物件の仲介を行い、売買契約は無事成立しております。買主は個人の方で、宅地建物取引業者ではありません。物件は築20年の中古物件で現状有姿取引です。また、買主から急ぐため内見は不要との要望があったため、内見は行いませんでした。重要事項説明は、令和8年の5月、買主に弊社の事務所にお越しいただき、専任の宅地建物取引士が直接説明を行っています。ア)重要事項説明書は、宅地建物取引士の資格を持たない営業員が作成したものを専任の宅地建物取引士がチェックし、押印はせず記名のみ行い買主に交付しました。まず、駐車場に関する説明を受けなかったとのことですが、
イ)確かに買主からは事前に「通勤のために駐車場があることが契約の必須要件」との希望が出されていました。しかし、駐車場は重要事項説明義務の対象外であるため駐車場が無いことを重要事項説明書に記載せず、告知もしませんでした。次に、都市ガスと聞いていたのにプロパンガスだったとのことですが、
ウ)売主から「都市ガスが使用できている」とヒアリングしたので、重要事項説明書にはその売主からのヒアリング結果をそのまま記載しました。重要事項説明書の記載事項と実態が異なっていたかもしれませんが、ヒアリングを行っているので問題ありません。なお、買主から建物の耐震診断を行っていないのはおかしいと言われていますが、
エ)買主が耐震性能に関心を有していたこともあり、売主に診断の記録の有無を確認し、「無い」との回答が得られたためその旨を重要事項説明書に記載しました。弊社に耐震診断を実施する義務は無いと考えています。
1 ア、イ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 ウ、エ
正解:2
ア 違反するおそれがない。
重要事項説明書の作成自体は、宅建士でない従業者でも行うことができる。宅建士が内容を確認して記名し、書面を交付して説明しているため、問題はない。宅建士の押印は不要である(宅建業法35条)。
イ 違反するおそれがある。
重要事項説明の対象として列挙されていない事項でも、買主の契約判断に重要な影響を及ぼすものについて、故意に事実を告げないことは禁止されている。本問では、駐車場が買主の契約の必要条件であると知りながら、駐車場がないことを告げていないため、違反するおそれがある(宅建業法47条1号)。
ウ 違反するおそれがある。
ガスの供給設備の整備状況は、重要事項説明の対象となる。宅建業者は必要な調査を行い、正確に説明しなければならず、売主の話をそのまま記載しただけでは足りない。売主への確認を理由に、誤った説明の責任を免れることはできない(宅建業法35条1項4号)。
エ 違反するおそれがない。
宅建業者には、買主の希望に応じて自ら耐震診断を実施する義務はない。本問では、売主に診断記録の有無を確認し、記録がない旨を重要事項説明書に記載しているため、耐震診断を実施しなかったこと自体は違反に当たらない。
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、売主である宅地建物取引業者B(甲県知事免許)から、分譲マンション(150戸)の販売代理を一括して受けた。Aが、当該マンションの所在する場所以外の場所にモデルルームを設置して、売買契約の申込みを受ける場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、当該マンション及びモデルルームは、甲県内に所在するものとする。
ア モデルルームについて、Aは宅地建物取引業法第50条第2項の規定に基づく届出を行う必要はないが、売主であるBは、Aの商号及び名称も記載して、当該届出を行わなければならない。
イ Aは、モデルルームに自己の標識を掲示する必要はないが、Bは掲示しなければならない。
ウ Aは、成年者である専任の宅地建物取引士をモデルルームに置く必要はないが、Bは、モデルルームに成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
エ Aは、マンションの所在する場所に自己の標識を掲示しなければならないが、Bはその必要はない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
正解:4
ア 誤り。
売買契約の申込みを受けるモデルルームを設置した宅建業者は、業務開始日の10日前までに届出をしなければならない。本問で届出義務を負うのは、モデルルームを設置して販売代理を行うAであり、売主Bではない(宅建業法50条2項)。
イ 誤り。
他の宅建業者が分譲する物件の販売代理を行うために設置したモデルルームにも、標識の掲示が必要となる。したがって、Aはモデルルームに自己の標識を掲示しなければならない(宅建業法50条1項)。
ウ 誤り。
売買契約の締結や申込みの受付を行うモデルルームには、成年者である専任の宅建士を1人以上置かなければならない。本問では、モデルルームで販売代理を行うAが設置義務を負う(宅建業法31条の3第1項)。
エ 誤り。
一団の建物を分譲する場合、物件の所在地には、売主である宅建業者の標識を掲示しなければならない。したがって、マンションの所在地で標識の掲示義務を負うのは売主Bであり、その標識には販売代理を行うAの商号または名称も記載する(宅建業法50条1項)。
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、その住宅を引き渡した場合、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結等の義務を負う。
2 宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、その住宅を引き渡した場合、基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結してはならない。
3 宅地建物取引業者が住宅販売瑕疵担保保証金の供託をし、その額が、基準日において、販売新築住宅の合計戸数を基礎として算定する基準額を超えることとなった場合、当該宅地建物取引業者の事務所の所在地を管轄する市町村長の承認を受けた上で、その超過額を取り戻すことができる。
4 住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅の買主が保険料を支払うことを約し、住宅瑕疵担保責任保険法人と締結する保険契約である。
正解:2
1 誤り。
新築住宅の買主が宅地建物取引業者である場合、売主の宅地建物取引業者に資力確保措置の義務はない。したがって、本問では保証金の供託や保険契約の締結は義務付けられない。
2 正しい。
新築住宅を引き渡した宅地建物取引業者は、基準日ごとに、保証金の供託や保険契約の締結状況を届け出なければならない。この届出をしない場合、基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後は、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結できない。
3 誤り。
供託した保証金が基準額を超えた場合、その超過額を取り戻すには、免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事の承認が必要である。事務所の所在地を管轄する市町村長の承認ではない。
4 誤り。
住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、売主である宅地建物取引業者が、住宅瑕疵担保責任保険法人と締結する。保険料の支払を約するのも、買主ではなく売主の宅地建物取引業者である。
独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 機構は、高齢者の家庭に適した良好な居住性能及び居住環境を有する住宅とすることを主たる目的とする住宅の改良(高齢者が自ら居住する住宅について行うものに限る。)に必要な資金の貸付けを業務として行っている。
2 機構は、マンションの再生等の円滑化に関する法律の規定によるマンションの更新(一棟リノベーション)工事や取壊しに必要となる資金については貸付けの対象としていない。
3 証券化支援事業(買取型)において、機構による譲受けの対象となる貸付債権は、償還方法が毎月払いの元利均等の方法であるものに加え、毎月払いの元金均等の方法であるものもある。
4 機構が証券化支援事業(買取型)により譲り受ける貸付債権は、自ら居住する住宅又は自ら居住する住宅以外の親族の居住の用に供する住宅を建設し、又は購入する者に対する貸付けに係るものでなければならない。
正解:2
1 正しい。
住宅金融支援機構は、高齢者が自ら居住する住宅について、高齢者の生活に適した居住性能や居住環境を備えるための改良資金を貸し付けている。例えば、段差の解消や手すりの設置などのバリアフリー工事、ヒートショック対策工事、耐震改修工事が対象となる。
2 誤り。
住宅金融支援機構は、マンションの再生等の円滑化に関する法律に基づくマンションの更新工事や取壊しに必要な資金も、貸付けの対象としている。この業務は令和8年4月1日施行の改正により追加されたものであり、更新工事や取壊しを貸付けの対象としていないとする点が誤りである。
3 正しい。
証券化支援事業(買取型)で機構が譲り受ける貸付債権の償還方法は、原則として、毎月払いの元利均等返済または元金均等返済である。元利均等返済だけに限られず、元金均等返済も対象となる。なお、いずれもボーナス払いとの併用が認められている(機構業務方法書3条1項6号)。
4 正しい。
通常の証券化支援事業(買取型)では、借入者本人が住む住宅だけでなく、本人が住まず、親族が住む住宅の建設・購入に係る貸付債権も譲受けの対象となる。一方、第三者に貸すことを目的とする賃貸住宅の建設・購入に係る貸付債権は、この対象には含まれない(機構業務方法書3条1項1号)。
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 建築基準法第42条第2項の規定により道路とみなされる部分(セットバックを要する部分)を含む土地について、その旨を表示し、併せてその面積を明示しなければならないのは、セットバックを要する部分の面積がおおむね30%以上である場合である。
2 建築工事に着手した後に、同工事を相当の期間にわたり中断していた新築住宅又は新築分譲マンションについては、建築工事に着手した時期及び中断していた期間を明示しなければならない。
3 採光及び換気のための窓その他の開口部の面積の当該室の床面積に対する割合が建築基準法第28条の規定に適合していないため、同法において居室と認められない納戸その他の部分については、その旨を「納戸」等と表示しなければならない。
4 A市に所在する新築分譲マンションBの最寄りの駅はC駅である。C駅はD市に所在しており、Bから直線距離で1,500m離れている。この場合、Bの名称にC駅の名称を用いることができる。
正解:1
1 誤り。
セットバックを要する部分を含む土地は、その旨を表示しなければならない。さらに、その部分の面積がおおむね10%以上の場合は、面積も明示する必要がある。30%以上ではない(表示規約施行規則7条2号)。
2 正しい。
建築工事に着手した後、相当の期間にわたって工事を中断していた新築住宅・新築分譲マンションは、工事に着手した時期と、中断していた期間を明示しなければならない(表示規約施行規則7条14号)。
3 正しい。
採光・換気のための開口部の面積が建築基準法の基準に適合せず、居室と認められない部分は、「納戸」などと表示しなければならない。広さが十分にあっても、居室として表示することはできない(表示規約施行規則9条17号)。
4 正しい。
物件の名称には、最寄り駅の名称を用いることができる。駅が物件とは別の市にある場合でも同様であるため、A市のマンションBに、D市にある最寄り駅Cの名称を用いることができる(表示規約19条1項2号)。
次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 建築着工統計調査報告(令和8年1月公表)によれば、令和7年の分譲住宅の着工戸数はマンション、一戸建ともに3年連続で減少した。
2 令和8年地価公示(令和8年3月公表)によれば、令和7年1月以降の1年間の地価変動率は、三大都市圏平均では住宅地、商業地、工業地のいずれについても上昇したが、地方圏平均では商業地を除き下落した。
3 令和8年版土地白書(令和8年7月公表)によれば、土地取引について、売買による所有権移転登記の件数でその動向を見ると、令和7年の全国の土地取引件数は140万件に達した。
4 令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査(令和7年10月公表)によれば、宅地建物取引業者数は、令和6年度末において、15万業者に達した。
正解:1
1 正しい。
令和7年の分譲住宅の着工戸数は、マンションが89,888戸で前年比12.2%減、一戸建住宅が115,935戸で前年比4.3%減となり、いずれも3年連続で減少した。分譲住宅全体も208,169戸で前年比7.6%減となり、3年連続の減少である。
2 誤り。
令和8年地価公示では、地方圏でも住宅地・商業地はいずれも上昇しており、住宅地が下落したとする点が誤りである。
3 誤り。
令和8年版土地白書によれば、令和7年の全国の土地取引件数は約130万件であり、ほぼ横ばいで推移している。140万件には達していない。
4 誤り。
令和6年度末の宅地建物取引業者数は132,291業者であり、15万業者には達していない。業者数は前年度から増加し、11年連続の増加となった。
土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 砂州は、河川によって河口付近まで運ばれた土砂が、沿岸流によって細粒分が洗い流されて、海岸線に沿って砂を主体に堆積した地形である。
2 砂丘は、風によって吹き寄せられた砂が堆積した地形である。
3 砂州は、比較的良好な地盤であり、液状化の可能性がない。
4 液状化とは、地震の発生などで地盤が強い衝撃を受け、地盤全体が液体のような状態になる現象をいう。
正解:3
1 適切。
砂州は、河川から河口付近に運ばれた土砂などが、波や沿岸流の作用によって海岸線に沿って堆積した地形である。細かな粒子は流されやすく、主に砂が堆積して形成される。
2 適切。
砂丘は、海岸や河原などの砂が風で運ばれ、堆積してできた丘状の地形である。水の流れによって形成される砂州と、風によって形成される砂丘を区別する。
3 不適切。
砂州は一般に比較的良好な地盤とされるが、液状化の可能性がないわけではない。砂が緩く堆積し、地下水位が高い場所では、地震時に液状化が生じるおそれがある。
4 適切。
液状化は、地震の強い揺れによって地盤中の水圧が上昇し、砂粒同士の結び付きが弱まって、地盤が液体のように振る舞う現象である。建物の沈下・傾斜や、地中のマンホールの浮き上がりなどを引き起こす。
建物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 建物の基礎とは、建築物の荷重を支え、地盤に伝える部分をいい、基礎底面の深さは、建築物を支えるのに十分な地耐力が得られる深さにする。
2 独立基礎は、連続させない部分的な基礎をいい、木構造では、荷重が小さい箇所に通常設けられる。
3 べた基礎は、建築物の直下全面を板状の鉄筋コンクリートにした基礎をいい、建築物が重い場合や、地耐力が小さい場合には通常用いられない。
4 布基礎は、連続した基礎をいい、建築物の外周壁や主要な間仕切壁の骨組の下、便所及び浴室のまわりに通常設けられる。
正解:3
1 適切。
基礎は、建築物の荷重を受け止め、地盤に伝える部分である。基礎の底面は、建築物を安全に支えられる十分な地耐力が得られる深さに設ける。
2 適切。
独立基礎は、柱などの下に個別に設ける、連続していない基礎である。木構造では、束などを支える、比較的荷重の小さい箇所に用いられる。
3 不適切。
べた基礎は、建築物の下の全面に鉄筋コンクリートの底板を設ける基礎である。広い面で荷重を分散して地盤に伝えるため、建築物が重い場合や、地耐力が比較的小さい場合に用いられ、不同沈下も防ぎやすい。したがって、これらの場合に「通常用いない」とする点が誤りである。
4 適切。
布基礎は、壁などの下に沿って連続して設ける帯状の基礎である。木構造では、外周壁や主要な間仕切壁の下、便所・浴室の周囲などに用いられる。
科目別の難易度と講評
| 科目 | 難易度 | 講評 |
|---|---|---|
| 権利関係(14問) | 難しい | 民法改正によって導入・変更された制度が本格的に問われた。特別法の4問は比較的得点しやすい内容だった。 |
| 法令上の制限(8問) | 標準 | 基本論点と応用的な出題が混在する内容。過去問の知識や消去法で解ける問題が多かった。 |
| 税・その他(3問) | 標準 | 2015年から11年ぶりに贈与税が出題された。不動産取得税、地価公示法は基本論点からの出題だった。 |
| 宅建業法(20問) | やや難しい | 個数問題が9問、組合せ問題が4問出題された。肢別に正誤を正確に判断できないと解けない問題が多かった。 |
| 5問免除科目(5問) | やや易しい | 過去問の知識や消去法で解ける問題が中心だった。 |
今年の試験の3つの特徴
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 法改正・新制度への対応力が問われた | 所有者不明土地管理命令、共有物の対価の償還、区分所有法改正、不動産登記法の新制度、報酬告示の改正などが出題された。 |
| 宅建業法は「知っている」だけでは得点できない | 20問のうち、個数問題9問、組合せ問題4問という構成。全選択肢のそれぞれの正誤を正確に判断する力が要求された。 |
| 過去問学習の重要性は変わらない | 統計の問題を除く49問中26問が、過去問の知識で対応できる問題。基本を確実に押さえた受験生が有利だったと考えられる。 |
宅スマの合格予想点
33点 または 34点
※上記は宅スマによる予想であり、正式な合格基準点ではありません。合格を保証するものではなく、今後変更する場合があります。


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