令和8年度の宅建試験を受験された皆さま、本当にお疲れさまでした。
今年の試験は、基本知識で判断できる問題がある一方、似た制度の違いや細かな条件まで問われ、「覚えていたのに判断に迷った」と感じた方もいたのではないでしょうか。
この記事では、試験全体と分野別の特徴を振り返り、全50問の出題テーマ・難易度・出題内容、今後の学習対策をまとめます。

① 全体の総評
今年の試験は、基本知識の定着に加え、制度の違いを正確に理解し、具体的な事例に当てはめる力が問われる内容でした。
権利関係では、問1の所有者不明土地・管理不全土地、問6の売買と賃貸借の比較、問9の法定地上権など、条件を整理しながら判断する問題が見られました。
宅建業法では、個数問題や組合せ問題への対応に加え、重要事項説明書と37条書面の違い、売主と販売代理業者の義務の違いなどを判断する必要がありました。「誰が、誰に対して、いつ、何をするのか」まで理解していたかがポイントです。
一方、共有、相続、農地法、不動産取得税、地価公示法などには、基本知識から判断しやすい問題もありました。難問に時間を使いすぎず、取りやすい問題で確実に得点することが重要だったと考えられます。

分野別の総評を一覧で確認
| 分野 | 全体の印象 | 出題の特徴 | 得点のポイント |
|---|---|---|---|
| 権利関係 | 難しい問題が目立つ | 所有者不明土地、契約の比較、法定地上権、区分所有法など、制度の違いや細かな条件を問う問題が出題 | 共有・相続などの基本問題を確保し、複雑な問題に時間を使いすぎない |
| 法令上の制限 | 基本問題と細かな問題が混在 | 建築基準法には細かな出題がある一方、開発許可・農地法・国土利用計画法には基本事項を問う問題も出題 | 区域・手続・義務を負う人を区別して判断する |
| 税・価格の評定 | 基本知識を得点につなげたい | 贈与税の非課税特例、不動産取得税、地価公示法から出題 | 特例の適用条件や「正常な価格」などの定義を押さえる |
| 宅建業法 | 知識の正確さが必要 | 個数・組合せ問題に加え、報酬の特例、35条・37条書面、具体的な取引事例を出題 | 選択肢ごとに判断し、書面の違いや当事者の立場を混同しない |
| 5問免除科目 | 知識問題と基本問題で差がつく | 住宅金融支援機構の業務、統計、広告表示、土地・建物の特徴などを出題 | 細かな知識に加え、土地・建物の基本問題で確実に得点する |
※総評・難易度は、問題内容に基づく見解です。受験者全体の正答率に基づく統計的な評価ではありません。
② 問題の構成・テーマ・難易度・出題内容
全50問の出題内容を分野別に整理しました。難易度は、知識の細かさ、事例の複雑さ、解答形式などを踏まえた目安です。
★☆☆:基本知識で判断しやすい
★★☆:標準的。正確な知識や条件整理が必要
★★★:細かな知識や複雑な判断が必要
※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。
試験の構成
| 分野 | 問題番号 | 問題数 |
|---|---|---|
| 権利関係 | 問1~14 | 14問 |
| 法令上の制限 | 問15~22 | 8問 |
| 税・価格の評定 | 問23~25 | 3問 |
| 宅建業法など | 問26~45 | 20問 |
| 5問免除科目 | 問46~50 | 5問 |
権利関係|問1~14
制度を比較する問題や、時系列を整理する問題が見られました。共有・相続などの基本問題を確保しながら、細かな論点に対応する力が求められています。
| 問題 | テーマ | 難易度 | 主な出題内容 | 評価ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 問1 | 所有者不明土地・管理不全土地 | ★★★ | 請求権者、管理人の権限、土地の処分など | 制度ごとの細かな違いが必要 |
| 問2 | 賃貸借など | ★★☆ | 賃貸人の地位の移転・留保、修繕義務、特有財産など | 地位の移転・留保がポイント |
| 問3 | 共有 | ★☆☆ | 共有物の使用、持分への抵当権設定、持分譲渡など | 共有の基本知識で判断しやすい |
| 問4 | 相続 | ★☆☆ | 法定相続分、代襲相続、連れ子の相続資格など | 相続人と相続分を整理できれば解ける |
| 問5 | 贈与・消費貸借・使用貸借 | ★★☆ | 書面の有無、受取り前の解除、死亡による終了など | 契約ごとの終了条件を区別する |
| 問6 | 売買と賃貸借の比較 | ★★★ | 他人物契約、修補、地位の移転、解除の効力など | 複数の契約を横断的に判断する |
| 問7 | 代理 | ★★★ | 意思表示の瑕疵、無権代理、双方代理、復代理など | 復代理人の判例を含む個数問題 |
| 問8 | 契約の解除 | ★★☆ | 返還金の利息、第三者、損害賠償額の予定、解除権など | 利息の起算点や解除権の不可分性に注意 |
| 問9 | 法定地上権 | ★★★ | 抵当権の順位、所有者の変化、建物の後築など | 時系列と所有関係の整理が必要 |
| 問10 | 各種契約の終了 | ★★☆ | 使用貸借・賃貸借・請負・委任の終了など | 契約ごとの解除条件を区別する |
| 問11 | 借地借家法〔借地〕 | ★★☆ | 定期借地の方式、期間、地代減額、対抗要件など | 契約目的と期間から適用ルールを判断 |
| 問12 | 借地借家法〔借家〕 | ★★★ | 対抗力、転借人への通知、明渡し、同居者の承継など | 細かな規定と特約の効力を問う |
| 問13 | 区分所有法 | ★★★ | 招集通知、決議の母数、所在等不明者、国内管理人など | 改正後の制度の正確な理解が必要 |
| 問14 | 不動産登記法 | ★★☆ | 国内連絡先、建物の名称、配偶者居住権、賃借権など | 国内連絡先の登記の知識がポイント |
法令上の制限|問15~22
建築基準法には細かな規定を問う問題がありました。一方、開発許可や農地法などでは、区域・権利者・手続の違いを押さえて得点につなげたい内容でした。
| 問題 | テーマ | 難易度 | 主な出題内容 | 評価ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 問15 | 都市計画法〔都市計画〕 | ★★☆ | 用途地域、特定用途誘導地区、非線引き区域、地区計画など | 似た名称の地域地区を区別する |
| 問16 | 都市計画法〔開発許可〕 | ★☆☆ | 廃止届、公共施設用地、建築制限、地位の承継など | 地位の承継に必要な手続がポイント |
| 問17 | 建築基準法〔単体規定など〕 | ★★★ | 条例の制限、仮使用、非常用照明、老朽建築物への勧告など | 細かな規定の知識が必要 |
| 問18 | 建築基準法〔集団規定〕 | ★★☆ | 高さ制限、用途制限の緩和、敷地面積の最低限度など | 用途地域の制限と例外を整理する |
| 問19 | 盛土規制法 | ★★☆ | 住民への周知、工事の許可、届出、災害防止措置など | 周知を行う主体に注意 |
| 問20 | 土地区画整理法 | ★☆☆ | 宅地の定義、組合員、建築行為等の制限、意見書など | 組合員となる権利者の範囲が基本事項 |
| 問21 | 農地法 | ★☆☆ | 抵当権設定、転用目的の売買、届出、許可基準など | 区域と取引内容から判断する |
| 問22 | 国土利用計画法 | ★☆☆ | 一団の土地、届出不要の取引、抵当権、農地取引など | 一団の土地の面積の合算がポイント |
税・価格の評定|問23~25
住宅取得等資金の非課税特例の条件や、相続取得の非課税、「正常な価格」の意味などが問われました。制度の対象や定義を理解していたかがポイントです。
| 問題 | テーマ | 難易度 | 主な出題内容 | 評価ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 問23 | 贈与税 | ★★☆ | 住宅取得等資金の非課税特例の年齢・所得要件など | 特例の適用条件を押さえる |
| 問24 | 不動産取得税 | ★☆☆ | みなし取得、税の性質、相続取得、納期など | 相続取得の非課税で判断できる |
| 問25 | 地価公示法 | ★☆☆ | 法律の目的、正常な価格、公示価格、標準地など | 正常な価格の定義が基本事項 |
宅建業法など|問26~45
個数・組合せ問題への対応に加え、報酬の特例や書面ごとのルールの理解が必要でした。具体的な事例では、当事者の立場や条件を丁寧に読み取ることが重要です。
| 問題 | テーマ | 難易度 | 主な出題内容 | 評価ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 問26 | 広告規制 | ★☆☆ | おとり広告、距離表示、広告開始時期、利用制限など | 広告規制の基本知識で判断しやすい |
| 問27 | 監督処分・罰則 | ★★★ | 業務停止、報告義務違反、宅建士への処分など | 処分権者と罰則の正確な知識が必要 |
| 問28 | 宅地建物取引士 | ★☆☆ | 宅建士証、登録要件、不正受験、合格の効力など | 登録と合格の基本ルールを問う |
| 問29 | 媒介契約 | ★★☆ | 電子提供、登録証明書、購入申込みの報告など | 承諾方法と報告義務に注意 |
| 問30 | 営業保証金 | ★★☆ | 供託の届出、取戻し、保管替え、有価証券の評価など | 本店移転時の手続を区別する |
| 問31 | 定義・免許の要否 | ★☆☆ | 宅地、用途地域内の土地、貸借の媒介、宅建士など | 基本的な定義の理解がポイント |
| 問32 | 犯罪収益移転防止法 | ★★★ | 疑わしい取引の届出、届出後の契約、顧客への告知など | 届出の取扱いに関する知識が必要 |
| 問33 | 専任の宅建士 | ★★☆ | 常勤性、兼務、設置人数、書面への記名など | 専任性のルールを全肢で判断する |
| 問34 | 重要事項説明 | ★☆☆ | 利用制限、IT重説、預り金、代金以外の金銭など | IT重説での宅建士証提示が基本事項 |
| 問35 | 報酬〔売買〕 | ★★☆ | 低廉な空家等の特例、受領相手、事前の説明・合意など | 特例の適用範囲を正確に押さえる |
| 問36 | 重要事項説明 | ★★★ | 法令上の制限、危険負担、防災区域、設備など | 細かな説明事項と35条・37条の区別 |
| 問37 | 報酬〔貸借〕 | ★★☆ | 居住用建物の報酬、広告費、長期の空家等の特例など | 通常の報酬と特例を区別する |
| 問38 | 37条書面 | ★★☆ | 記名・交付、建物の確認事項、融資特約、管理規約など | 確認事項がない場合の記載に注意 |
| 問39 | 業務上の規制 | ★★☆ | 書面の説明、報酬額の掲示、従業者名簿、融資など | 複数の業務ルールを横断的に問う |
| 問40 | 35条・37条書面 | ★★☆ | 保全措置の記載、業者間取引、電子提供の承諾など | 書面ごとのルールを区別する |
| 問41 | 各種届出 | ★★☆ | 解散・合併、案内所、役員変更の届出など | 義務者・期限・届出先を整理する |
| 問42 | クーリング・オフ | ★★★ | 当事者の立場、申込み場所、告知方法、支払・引渡しなど | 複数の条件を事例ごとに判断する |
| 問43 | 説明・調査義務など | ★★☆ | 書面作成・記名、駐車場の告知、ガス設備、耐震診断など | 長文から判断に必要な条件を読み取る |
| 問44 | 案内所・モデルルーム | ★★☆ | 届出、標識、専任宅建士、販売代理業者の義務など | 売主と販売代理業者を区別する |
| 問45 | 住宅瑕疵担保履行法 | ★★☆ | 業者間取引、届出、新規契約の制限、供託・保険など | 未届出の場合の契約制限がポイント |
5問免除科目|問46~50
住宅金融支援機構の業務や統計には知識の確認が必要でした。一方、土地・建物では、地形や基礎の特徴を理解していれば判断しやすい問題が見られました。
| 問題 | テーマ | 難易度 | 主な出題内容 | 評価ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 問46 | 住宅金融支援機構 | ★★★ | 高齢者向け改良融資、マンション再生、証券化支援など | 細かな業務範囲の知識が必要 |
| 問47 | 景品表示法・表示規約 | ★☆☆ | セットバック、工事中断、納戸、物件名称など | 面積表示の基準がポイント |
| 問48 | 統計 | ★★☆ | 住宅着工、地価、土地取引件数、宅建業者数など | 主要統計の増減と数値を押さえる |
| 問49 | 土地 | ★☆☆ | 砂州・砂丘の成り立ち、地盤、液状化など | 液状化を否定する断定に注意 |
| 問50 | 建物 | ★☆☆ | 基礎の役割、独立基礎、べた基礎、布基礎など | 基礎の特徴と用途の理解がポイント |
③ 今後の対策と宅スマの活用法
今年の出題を踏まえると、問題を解く量だけでなく、一つひとつの選択肢をどこまで理解できているかを確認する学習が重要です。
| 対策 | 学習のポイント | 宅スマの活用法 |
|---|---|---|
| 選択肢ごとの判断力を付ける | 正誤だけでなく、間違っている箇所と理由を確認する | 〇×問題を繰り返し解く |
| 似た制度を区別する | 対象者・条件・期間・手続を比較する | テキストと解説で違いを整理する |
| 複雑な論点を理解する | 登場人物や時系列を図にして考える | 動画講義で理解→問題で確認する |
| 法改正に対応する | 変更点を具体的な問題で判断できるようにする | 受験年度に対応した教材で確認する |
| 知識を定着させる | 短時間でも継続して復習する | 通勤・休憩時間にスマホで数問ずつ演習する |
〇×問題は「なぜ間違いなのか」まで確認する
個数問題や組合せ問題に対応するには、各選択肢を独立して判断する力が必要です。四択問題で正解できた場合も、ほかの選択肢まで理解できているとは限りません。
宅スマの〇×問題では、一つの文章に集中して正誤を判断できます。解答後は、「どの言葉が誤りなのか」「どう直せば正しい文章になるのか」まで確認してみてください。
似た制度は、比較して理解する
売買と賃貸借、各種契約の終了、35条書面と37条書面などは、別々に覚えるだけでなく、違いを比較することが大切です。
混同したときはテキストや解説に戻り、「誰が」「いつ」「どの条件で」という視点で整理しましょう。理解しにくい論点は、動画講義で考え方を確認してから問題を解き直すと、理解と演習をつなげられます。
短時間の学習を積み重ねる
再受験を考えている方も、最初から長時間の勉強を再開する必要はありません。通勤中や休憩時間に数問解くなど、取り組みやすい量から始めてみましょう。
宅スマは、スマートフォンで問題演習・テキスト学習・動画視聴ができるWeb学習アプリです。忙しい日もスキマ時間を使い、学んだ知識を繰り返し確認する学習にお役立てください。
今回の試験で迷った問題は、今後の学習を見直す手掛かりになります。まずは少し休んでから、自分に必要な復習を一つずつ進めていきましょう。
※本記事の難易度は問題内容に基づく目安であり、受験者全体の正答率に基づくものではありません。


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